ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2017年6月8日

»著者プロフィール
著者
閉じる

佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

 食中毒の患者(被害者)は、子供・高齢者・病人といった「健康弱者」に多い。働き盛りのビジネスパーソンにはあまり関係がないと思っているかもしれないが、油断するが故に陥りやすい落とし穴もある。

iStock

夏期も冬期も食中毒は発生する

 昔から6月に入ると「食中毒の時期到来」と話題になる。たしかに、かつては、気温も湿度も高くなる6月くらいから食中毒が増え、涼しくなる10月を過ぎるまでは高い発生率が続いていた。衛生環境が整っていない時代には、高温多湿の日本では、この時期に食中毒が多発することは避けられなかったであろう。

 しかし、冷蔵庫が普及し、流通システムが発達し、保存料などが開発され、食品の安全性に関する環境が整ってきてからは、とりわけ夏場に食中毒が多発するという強い傾向は見られなくなった。このところ、毎年大きな話題となるノロウイルスによる食中毒は、12月がピークとなる。

 一般的に、食中毒は原因から見て、大きく3つに分類することができる。

1:細菌を原因とする食中毒
2:ウイルスを原因とする食中毒
3:その他(自然毒や寄生虫や化学物質など)

 1の細菌には、サルモネラ属菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、ブドウ球菌、ボツリヌス菌などがある。これらは「生物」なので、水分が多く(湿度が高く)、生育に適正な温度がある夏場に多く発生する。一方で、2のウイルス(ノロウイルスなど)は、厳密にいうと「生物」ではないので、生育に適正な気候条件とは関わりがないために、夏場に多く発生するわけではない。むしろ、体温の低下でヒトの抵抗力が下がったり、カキなどの貝類を食べる機会が増えたりという「食べる側の都合」によって、冬期に多く発生すると考えられている。

 これらの内容について詳細を知りたい人は厚生労働省の報告【※1】を見てほしい。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る