オトナの教養 週末の一冊

2017年6月8日

»著者プロフィール
著者
閉じる

本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 ただ、死因をしっかりと究明したほうが、生きている人たちへ有益な情報が得られますので、個人的には解剖率は上げなくてはいけないと考えています。

――ここまでは、警察官による検視後、事件性の疑いがあると判断し、法医学教室へ解剖を依頼した司法解剖について話を聞いてきました。他にも承諾解剖、調査法解剖という解剖があるとのことですが、これはどういったものなのでしょうか?

西尾:たとえば、警察が検視した時に、これは犯罪性はないのだけれども、死因がわからない場合があります。こうした場合には、遺族から承諾をとって、死因を明らかにするための解剖が行われます。承諾解剖と呼ばれるものです。遺族の承諾がないと解剖はできません。

――調査法解剖とは?

西尾:遺体に関し、事件性がないと判断されても、承諾解剖には遺族の承諾が必要です。ただ、遺体の身元が不明のような場合、遺族の許可を取ることができませんから、調査法解剖という方法で解剖を行います。

――何のために解剖するんですか?

西尾:部屋も施錠されていて、事件性はなく、おそらく病死だろうけど、念には念を重ね解剖してこうということです。解剖すれば、血液検査で毒物を飲まされていないか、骨折しているかどうかなどがわかりますから。

――初めて本を書いて、周囲の反響はどうですか?

西尾:非常に新鮮な経験でした。たとえば、研究室の秘書さんは「この本を読むと、先生が良い人に見えます」とか、病理学が専門の先生には「先生がそんな風に考えて、解剖をしているとは思いませんでした。すみません」と。何がすみません、なのかはわかりませんが。私が、世間からどう見られているのか、本を出版したことで知ることができました(笑)。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る