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2017年6月8日

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イランの首都テヘランの国会議事堂と故ホメイニ師の廟で7日、銃撃と自爆攻撃が同時に起きた事件で、イランの高官は、襲撃犯らが国内で過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)に勧誘された戦闘員だったと述べた。

イラン国家安全保障最高評議会のレザ・セイフォラヒ副議長は国営テレビとのインタビューで、襲撃犯らは「イラン国内の数多くの地方からダーイッシュ(ISの別称)に加わった」と語った。

襲撃犯は全員死亡した。当局によると、第3の攻撃を計画していた疑いで5人が逮捕された。

イランで強大な権力を持つ革命防衛隊は、サウジアラビアと米国が襲撃の背後にいると非難した。

サウジアラビアをはじめとするアラブ諸国は今週、カタールがイランとのつながりを強め、イスラム教過激派を支援しているとして国交を断絶。中東地域での緊張が高まった。

イスラム教スンニ派が支配するサウジアラビアとシーア派が多数を占めるイランは、中東で覇権を争う関係にある。

スンニ派に属するISは事件を受けて犯行声明を出し、イランのシーア派へのさらなる攻撃を警告した。イランでISによる攻撃が起きたのは今回が初めて。

イランの革命防衛隊は復讐すると表明したが、責任は米国と、ドナルド・トランプ米大統領が先月訪問したサウジアラビアにあると主張した。

革命防衛隊は声明で、「このようなテロ行為が、米大統領が地域の反動的政府の一つ(サウジアラビア)の指導者と会った1週間後に起きたことは(中略)彼らがこの野蛮な行為に関与しているのを示している」と述べた。

米国とサウジアラビアは今回の襲撃を強く非難している。

トランプ大統領は、事件の影響を受けた人々のために祈っているとコメントしたが、「テロを支援する国家は、自らが後押しする悪の犠牲になる危険を背負っている」と付け加えた。

イランにおけるISの存在

ISは犯行声明を出すと同時に、イランの国会議事堂内での襲撃の様子を撮影したとする動画を公表した。動画には「我々はどこにも行かない。永遠に居続ける」と話す人物の声が含まれている。

BBCペルシャ語のジェニー・ノートン記者は、イランがイラクやシリアで対IS作戦に積極的に関わってきたものの、ISはこれまでイランで攻撃を実施したことはなかったと指摘する。また、イラン国内のISへの支持は少ないとみられるという。

しかし、ここ数カ月間、ISはイラン国内で抑圧されたスンニ派住民を標的にしたペルシャ語の宣伝活動を強化しているという。

イランの情報機関は、国内でISから発想を得た多くの攻撃計画を失敗させたと主張している。

しかし、ISは今回、ライバルであるアルカイダなど他のスンニ派のイスラム教聖戦主義集団に対して、長らく敵対してきたものの大きな打撃を与えたことがなかったイランへの攻撃に成功したと主張できる可能性がある。

攻撃の影響は?

中東専門家のディナ・エスファンディアリー氏は、イランの強硬派がイラクとシリアでの対IS作戦を強化すべきとの主張を強める可能性があると指摘する。ISがイラクの幅広い地域を支配下に置いた2014年と同様、イラクでの対IS作戦に対する世論の支持が高まる可能性が高いという。

しかし、シリアへの関与にはイラン国民の支持は広がっていないとエスファンディアリー氏は指摘する。イランに生じる人的犠牲に見合うメリットがないとみられているためだ。

同氏はまた、今回の攻撃を受けて、イランの守護者とみられている革命防衛隊への人気が高まるだろうと予想している。

(英語記事 Tehran attackers 'were IS recruits from Iran'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/40197181

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