BBC News

2017年6月14日

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ロンドン西部の公営住宅で14日未明、24階建て127戸のタワー棟から出火し、大火災となった。少なくとも12人が死亡し、大勢が行方不明となっている。ロンドン救急サービスによると、60人以上を病院に搬送した。目撃者らによると、多くの住民が建物内に閉じ込められた。窓から飛び降りる人たちもいたという。

ロンドン警視庁によると、公営住宅「ランカスター・ウェスト・エステート」のグレンフェル・タワーから14日午前零時54分(日本時間同8時54分)に火災通報があった。住民「数百人」が出火当時、建物内にいたはずとされる。

スチュワート・カンディー警視長は同日午後、「残念ながらこれまでに12人の死亡を確認した」と発表。「残念ながら犠牲者の人数はさらに増えるものと思われる」と述べた。

これまでに、5階から出火した可能性が指摘されている。

ロンドン消防庁のダニー・コットン消防総監は同日午前の記者会見で、「前例のない火災だ。消防士として29年間働いてきたが、これほどの規模のものは見たことがない」と述べた。さらに、出火原因はまだ分かっていないと話した。

テリーザ・メイ英首相は、全面的な原因調査を約束。「学ぶべき教訓があるならば、学ぶようにする」と述べた。

赤ちゃんを窓から

目撃者らによると、建物内には大勢が閉じ込められ、助けを求めて叫んでいたという。上層階では懐中電灯か携帯電話のものと思われる光が見えた。閉じ込められた住民が窓際で助けを求め、子供を窓から出して抱える人もいたという。住民が10階か11階の窓から落とした赤ちゃんを、地上の人たちが受け止めたという話もある。

ケンジントン・チェルシー行政区は、これまでに44世帯に緊急宿泊先を提供したと明らかにした。

無事避難できた8階に住むポール・ムナクルさんは、「階段を下りていくと、消防士たちが来た。本当に素晴らしい消防士たちが、実際に階段を上って、炎に向かって、なるべく大勢を脱出させようとしていた」と話した。

ムナクルさんは火災警報で火事に気付いたのではなく、建物の外から「飛び降りるな、飛び降りるな」と叫ぶ声が聞こえて気づいたのだと話した。

目撃者のジョディー・マーティンさんは、「一人が窓から落ちるのを見た。別の女性が窓から赤ちゃんを窓の外に出して抱えているのが見えた。悲鳴も聞こえた」と話す。

「みんなに下に降りろと叫んだが、みんな『アパートを出られない。廊下は煙でいっぱいだ』と叫んでいた」

警報は鳴らず

恋人と幼い娘の3人で8階に住むマイケル・パラマシーバンさんは、外に出るなという勧告を無視したと話す。

「アパートに残ってたら、3人とも死んでいた。ともかく彼女と娘を外に出そうと、直感的に思った。煙がひどかったのでチビをぐるぐる巻きにして、ともかく外に出た」

5階に住むゾーイーさんは、隣人が玄関を叩いてくれたおかげで目が覚めたと話す。

「階段の踊り場に煙がすごく立ち込めていた。煙警報は鳴らなかったが、5階から24階まで一気に広がっていった。すごく怖かった」

英チャンネル4のジョージ・クラーク司会者はBBCラジオに対して、「100メートル離れているが、全身がすっかりすすまみれだ。それくらいひどい」と話した。

「ひどい話だ。一番上の階で誰かが懐中電灯を点滅させているのが見えた。脱出できないのだと思う」

現場にいたティム・ダウニーさんはBBCに、タワー棟の一部が「完全に焼失した」と話した。「建物の中心部まで完全に燃えてしまった。ひどい様子だ。本当にひどい。こんなのは見たことがない。凄まじい大火事だ。建物全体がボロボロ崩れ出していて、黒煙が立ち上っている」。

建物を管理するケンジントン・チェルシー地区の行政事務所によると、タワー棟は24階建てで127戸が入っている。1974年竣工で、公営住宅地全体に2年をかけて実子した予算860万ポンドの大規模修繕を昨年5月に終えたばかり。外装や全館共通の暖房システムを新しくしたという。施工会社は、工事内容はあらゆる基準を満たすものだったとコメントしている。

地元の住民団体は2013年以来、タワー棟で火災が起きる危険が高く、救急車両が入りにくいことが問題だと指摘していた。

(英語記事 Fire engulfs Grenfell tower block in west London

提供元:http://www.bbc.com/japanese/40269857

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