2024年4月23日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年6月21日

 北朝鮮の核開発が注目を集めていますが、開発の要は2つあります。1つは核爆発力の強化であり、もう1つは小型化です。上記解説記事は、北朝鮮が前者については着実に前進していると述べています。完全な水爆を作らなくても、水爆の熱核火力、すなわち核融合を取り入れた核兵器を作れば、破壊力は飛躍的に増大することになります。北朝鮮はどうもこの路線を歩んでいるようです。核弾頭の小型化については、短・中距離ミサイル用のものは開発が進んでいますが、ICBM用はまだ時間がかかるということのようです。

着実に核戦力を強めている

 しかし北朝鮮が、実験に失敗するなど紆余曲折はあっても、着実に核戦力を強めていることは間違いないようです。

 国際社会はこの厳然たる事実にいかに向き合うべきなのでしょうか。安保理の度重なる非難、制裁にもかかわらず、北朝鮮は核開発を止める気配はありません。北朝鮮の命運を左右できる中国は、北朝鮮の崩壊に至るような制裁は課したがりません。米国は米本土に届くICBMの開発は許せないと言っていますが、阻止するために北朝鮮を軍事攻撃することには躊躇するでしょう。

 ここまで来た北朝鮮の核開発を全く止めさせるのは現実的ではないと思われます。そうとすれば、考えられるのは開発の凍結です。それですら北朝鮮が容易に乗ってくるとは考えられませんが、それ以外に対処法はないのではないかと思われます。

  
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