あの負けがあってこそ

2017年6月21日

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 「行くときは英雄のように送り出され、負けたときは、まるで犯罪者のような気持ちになって帰るのですが、まさにミルコ戦の帰り道がそんな気持になっていました」

 「スポーツ選手にはよくある話ですよね。負けた選手には冷たい。それがプロの世界です」

 「僕の競技人生は、負けの経験が多く、怪我の経験も多いのですが、最終的に思うのは、結果として自分が心底納得いって、良かったと思えて、そんな経験がたくさんあるからこそ、今があるんじゃないかと思えるならば、全てはプラスの出来事になると思っています」

 プロ格闘家としての戦績は、33戦14勝19敗。

 デビュー当時、憧れのアントニオ猪木から、「馬鹿になれるか?」と問われたことがあった。その意味は「馬鹿になれるほど熱中できるものはあるか?」だと解釈している。

 その答えは記録ではなく、大山のファイトスタイルに表れている。

引退後のアスリートが再び輝く場を

 大山は現在、格闘技の基礎運動とフィットネスの要素を融合させた「ファイトネス」という独自のプログラムを組んで企業研修を行っている。現代人は日々ストレスに晒されている。それを心と身体の両面からサポートしようというのがプログラムの狙いだ。

 さらに、

 「格闘技のトレーニングをするのはほとんどの方が初めてですから、反応は様々で、それを心のクセと呼んでいますが、体験して、自分の心のクセを知ってもらうことによって、心のハンドルを自分で意識して変えることができるようになるんです」

 「また、プログラムを体験して、喜んでくれている顔を見ていると、引退後も社会に自分の存在意義があることを実感できますし、社会貢献になっていることがわかります」

 「だから格闘家のセカンドキャリアとしても意味があるということです。これを進めていけば、今後引退していくアスリートたちの第2の人生としての可能性が広がって、再び人生を輝かせることができると思っています。ファイトネスを確立して、社会で活躍するアスリートたちの姿を見せたと思っています」

 全ての試練は未来への踏み台である。

 大山はファイトネスで新たなスタイルを確立しつつある。

<大山峻護(おおやま しゅんご)プロフィール>
元総合格闘家。
第28回全日本実業柔道個人選手権大会・男子81kg級優勝
2000年 第7回全日本アマチュア修斗選手権 ライトヘビー級 優勝
2001年 PRIDE参戦
主な対戦相手は、ヴァンダレイ・シウバ、ヘンゾ・グレイシー、ハイアン・グレイシー、ダン・ヘンダーソン、ミルコ・クロコップ
2004年 K-1・HIERO'S参戦
主な対戦相手は、ヴァレンタイン・オーフレイム、サムグレコ、ピーター・アーツ、ホドリゴ・グレイシー
2010年 Martial Combat参戦 ライトヘビー級王座
2011年 パンクラス参戦
2011年 ROAD FC参戦
2012年 ROAD FC初代ミドル級チャンピオン

  
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