今月の旅指南

2010年8月5日

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辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

 重要無形文化財保持者、いわゆる「人間国宝」とよばれる人々の作品を展示している神奈川県湯河原町の人間国宝美術館。湯河原在住の陶芸家で、元首相の細川護煕〔もりひろ〕氏の作品が常設展示されていることや、人間国宝の作家が作ったお茶碗で抹茶がいただけることなどで人気だ。

14代酒井田柿右衛門 「濁手秋草文花瓶〈にごしであきくさもんかへい〉」

 そんな人間国宝美術館で8月1日から始まるのが、「人間国宝 三右衛門展」だ。三右衛門とは有田焼の13代今泉今右衛門〔いまいずみいまえもん〕と14代酒井田柿右衛門〔さかいだかきえもん〕、そして唐津焼の12代中里太郎右衛門〔なかざとたろうえもん〕のこと。13代今右衛門は、色鍋島の伝統技法を受け継ぎながら、「吹墨」「薄墨」などの技法を用いて表現の可能性を発展させた名工。14代柿右衛門は、余白を生かした華麗で優美な色絵の世界を創り上げた。また、12代太郎右衛門は、安土桃山時代の古唐津を復興、伝統技法を現代茶陶に生かした独自の作風を生み出した。

 今回の展覧会は、こうした三右衛門の“技の美”をまとめて鑑賞できる貴重な機会だ。また、彼らの技の源となった江戸時代の鍋島や伊万里といった古陶磁の名品も併せて展示されるのも見もの。鑑賞後に楽しむ抹茶サービスでは、人間国宝の作品にじかに手を触れ、その手触りと口触りを存分に味わってみたい。

 
 
 
 

─今右衛門・柿右衛門・太郎右衛門─人間国宝 三右衛門展
〈開催日〉2010年8月1日~11月30日
〈会場〉神奈川県湯河原町・人間国宝美術館(東海道本線湯河原駅下車)
〈問〉0465(62)2112
  http://www.nikobi.com/

 

◆ 「ひととき」2010年8月号より

 

 

 


 


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