2024年4月25日(木)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年7月2日

ナバホ族は男尊女卑社会?

 ナバホの伝統文化は男尊女卑という。対外的・政治的に男性上位社会であり公式の席上では男性を立てなければならない。そして幼少時から“男女席を同じくせず”が慣習。また同じ姓(same clan)どうしでの結婚は厳禁。族長や親が相談して結婚相手を決めるので、いわゆるロマンスを否定する文化という。

ニューメキシコ州の先住民の遺跡。スペイン支配が始まる前はインカ文明のような高度な文明と社会を形成していた。丸い廃墟は食料貯蔵庫。

 当時アメリカ大統領の予備選挙の最中であったが彼女によると彼女も含めてナバホ族でヒラリー・クリントンを支持する人間はいないという。女性が大統領になるということがナバホ族の価値観からはありえないとのこと。

 他方で面白いのは家の中ではむしろ“かかあ天下”であり働き者の女性のほうが怠け者の旦那よりも主導権を握っているという。

先住民の家は仮設住宅?

 土産物屋の女性と別れてからさらに北上するとナバホ族の人々の住居が点在している。荒涼とした丘が続き、ところどころに数軒の住居が集まって小さな集落が形成されている。

アンテロープの洞窟内部は意外と明るい。曇天や雨の日は色彩がどんよりして残念ながら美しい模様がクリアーに見えないという

 住居は2LDKくらいの粗末な平屋ばかりで古びたプレハブ住宅のような外見だ。住居を囲んでいる柵も手作りのようで傾いていたり壊れていたり。停めてある車も年代物の中古のトラックやステーションワゴンばかりで新車は見当たらない。馬を飼っている家も時々見かけるが全く活気が感じられない。

 柵で囲われた庭には家電や箪笥等のガラクタが放置されているだけで花や木もなく殺風景この上ない。ナバホ族の住居の光景には彼らが数百年にわたり白人侵略者から受けてきた仕打ちに対する諦観のような“やるせなさ”を感じた。

 ルート66旧道沿線の田舎町は押し並べて寂れているがそれでも白人たちはそれなりに小ぎれいな住宅に住んでいる。先住民の平均所得は米国の最下層レベルであろうと容易に想像できた。

先住民は何をして生計を立てているのか

 ナバホの居留地を走っていてふと気づいた。耕作地がない。また牛、羊といった家畜が見えない。すなわち農業をしている形跡がない。なだらかな丘陵地帯で草も生えているので牛や羊の放牧くらいは可能なはずだが。

 道すがら道路工事をしていた。ナバホ族らしき人々が多数作業していた。どうも公共事業と民芸品製造を含めた観光業以外に現金収入はないようだ。

ナバホの若者はそろってポッチャリさん

 コロラド川が馬の蹄鉄型に蛇行している景勝“Horse Shoe Bend”は世界各国からの観光客で溢れていた。それから近年パワースポットとして脚光を浴びているAntelope Canyonに向かった。Upper Antelopeに行くと入場料が48ドルであり退散。Lower Antelopeの入場料は28ドルだったので拝観することにした。

 UpperとLowerの両方のAntelope洞窟に共通しているのはスタッフが全員ナバホ族であることだ。明らかにオーバースタッフであり手が空いている若者はおしゃべりに興じたりスマホで遊んだりして暇つぶしをしている。男子も女子もポチャポチャしており肥満体型ばかりである。


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