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2017年6月29日

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ローマ法王庁の財務長官を務めるジョージ・ペル枢機卿(76)が28日、オーストラリアにおける複数の性犯罪容疑で訴追された。枢機卿は同日、法王庁で記者会見し、容疑を強硬に否定した。

ビクトリア州警察は、過去の複数事案による訴追だと説明。シェーン・パットン副総監は、複数人の告訴に基づくものだと話した。

容疑の詳細は明らかにされていない。パットン副総監は、捜査手続きは他の捜査と一緒で、「ペル枢機卿は本件の捜査において、誰もが受ける通常の扱いを受けた」と説明した。

枢機卿は7月18日に、メルボルンの法廷に出廷する必要がある。昨年にはローマで、オーストラリアの捜査員から任意で事情聴取を受けた。

財務長官として法王庁3番目の地位にあるペル枢機卿は、法王庁で会見し、「虚偽」の告訴にもとづく2年間の捜査で「絶え間ない人格攻撃」を受けたと反論。身の潔白を証明するため、法王庁での職務からの猶予をフランシスコ法王に認められたと話した。

枢機卿は「ついに法廷で自分の主張ができる日を楽しみにしている。私は一連の疑いについて無実だ。疑いは虚偽だ。性的虐待などというそのものを、私は嫌悪している」と強調した。

この会見に先立ち、法王庁は28日、「ペル枢機卿はできる限り速やかにオーストラリアへ戻り、潔白を証明する。渡航にあたっては、主治医の助言と許可に従うことになる」と声明を出し、「枢機卿は出廷を心待ちにしており、疑いを強力に否認するつもりだと話している」と説明していた。

ペル枢機卿は、カトリックの伝統的な価値観を強力に擁護し、同性結婚や避妊について保守的な立場をとってきた。また、司祭の妻帯禁止も主張してきた。

その一方で枢機卿はかねてより、聖職者による児童性的虐待を隠蔽したと非難され続け、後には本人も児童を性的に虐待していたと疑惑が指摘されてた。本人は一貫して、問題行動を強く否定している。

枢機卿は2014年、バチカン銀行の資金洗浄疑惑を受けてフランシスコ法王が新設した財務長官のポストに就任した。

しかしオーストラリアのカトリック聖職者による児童性的虐待の実態が明らかになっていたのと重なり、オーストラリアでは強い反発を招いた。

王立委員会は、豪南東部ビクトリア州のバララット市で起きた児童への性的虐待について調査をしている。1970年代初頭にバララットの神学校にいたジェラルド・リッズデール司祭が小児性愛者だったことが明らかになっているが、ペル氏も同じ場所に居住していた。また後にペル枢機卿は、このリッズデール司祭について報告するより、教区を移動させて行為を隠蔽しようとしたとこれまでも避難されていた。また被害者に賄賂を提供して沈黙を買おうとしたとも言われている。

豪ABCは2016年、1970年代にペル枢機卿に不適切な形で体を触られたという男性2人の証言を放送した。

枢機卿はその内容を強く否定し、「とんでもない人格攻撃キャンペーンだ」と反発していた。


<解説> ヒュエル・グリフィスオーストラリア特派員、BBCニュース

ペル枢機卿はオーストラリア最高位のカトリック聖職者というだけでなく、カトリック世界全体でも極めて高い地位にいる。

ここ20年来、同性愛やエイズ、胚性幹細胞研究などカトリックの教義上異論の多い課題について、教会の議論を主導してきた。

また豪カトリック教会の聖職者による性的虐待疑惑について、教会側の公式対応の中心的な存在だった。

オーストラリアで児童性的虐待を調査する王立委員会に昨年ビデオ中継で証言した際には、傍聴するためローマにまで行った被害者もいた。

それだけに、そのペル枢機卿自身を性犯罪の疑いで訴追するという判断の重要性は、強調しすぎるということはない。

オーストラリアで出廷するために帰国したあかつきには、その一挙手一投足が豪メディアだけでなく、世界中のカトリック信者から注目されるはずだ。


(英語記事 Cardinal Pell: Vatican treasurer charged with sex offences

提供元:http://www.bbc.com/japanese/40439773

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