2019年10月23日(水)

学術著作権協会

2019年8月20日

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パッケージソフトの無断コピーが違法であることは常識だ。では、電子文書や画像はどうか? 悪気なく気軽にデータを複製し、メールに添付したり社内で共有したりしていないだろうか。 許諾のないそれらの行為は、実は違法。処理を怠れば、巨額の賠償問題にもなりかねない。

ネット利用で急増する無自覚のコピーライト侵害

 

 昨年11月、インターネットから入手したフリー(無料)画像を広報誌などに載せて配布した複数の自治体が、相次いで多額の著作権使用料を請求されるという事件が話題となった。毎日新聞の報道によれば、たった1点の使用で200万円を請求されたケースもある。

 「無料でダウンロードできるからといって、著作権がないわけではありません。個人利用の範囲を超えて、商用目的で使う場合などに使用料が生じることもあるのです。決められた条件から外れて無断で使えば、それは著作権侵害に当たります」

 著作権問題に詳しい弁護士の市村直也氏はそう話す。情報通信技術の発達により、文書や画像、音声などの著作物をいともたやすく電子化し、メールで送信したりクラウドで共有したりすることが可能になった。だが、楽しさや利便性が増す一方、思わぬトラブルを招く危険もまた増していると市村氏は釘を刺す。例えば、次のうち違法行為はどれかわかるだろうか。

1.自宅で読んだ雑誌の記事をスマートフォンで撮影して会社のPCに転送、企画書づくりの参考に。
2.サブスクリプション(定額制)契約で購読するオンライン記事をPDF化し、社内サーバーに保存。
3.無料文献をネットでダウンロード、メール添付で同僚に一斉送信。
4.新聞記事をコピー機で複写、電子化せずに取引先に配付。
5.ビジネス書の一部を社内勉強会で朗読。

国内外で高まる訴訟リスク
億円規模の損害賠償も

 答えはいずれも違法。すべて著作権侵害だ。会社で日常的に見られそうな行為だけに要注意。1は複製権、2は複製権と送信可能化権、3は公衆送信権、4は複製権と譲渡権、5は口述権などに関係する。著作権とはこのように、いくつもの支分権の総称なのだ。

 「サブスクリプション契約で入手した文書などは自由に使えるかのように誤解されがちですが、そんなことはありません。著作権者の許諾なく誰かと共有したり、多くの人が閲覧できる場所に蓄積したりするのは違法行為です」

 判断のポイントは、私的使用か否か。著作権法では、家庭内で仕事以外の目的で使用するために著作物を複製することは認められている。他にも例外規定は複雑にあるのだが、営利を目的とする行為の一環であれば、ほぼNG。著作権者の許諾が必要だ。

 市村氏によれば、著作権侵害は懲役10年以下などの刑事罰を伴うれっきとした犯罪であり、法人なら最大3億円の罰金が科せられるという。明るみに出れば、企業イメージは地に墜ちる。しかも、刑事罰とは別に民事上の罰則として、億円規模の損害賠償や和解金が生じるリスクもある。

 

 事実、海外ではそうした事例は珍しくない。例えば、『ウォールストリートジャーナル』の発行元である米国のダウジョーンズは2017年、自社の出版物の著作権が不当に侵害されたとして、公務員年金を扱う基金団体を提訴し、340万ドルで和解した。この団体は大量の記事を無断で複製し、長年にわたり自社のウェブサイトに転載、職員間で大規模な共有を続けていた。団体の理事会や法務顧問、IT担当らもその行為を知りながら黙認してきたのである。

 「これを対岸の火事だと思ってはいけません。海外に支社や支店を持つ日本の企業が、知らぬ間に現地の著作権法に触れ、訴訟対象となる恐れは十分にあるのです」

ライセンス契約で徹底する
著作権コンプライアンス

 ヨーロッパでは欧州議会が今年3月、EU著作権指令の改正案を可決し、インターネット上の著作権保護策が強化された。日本でも著作権法の改正は毎年のように行われ、デジタル化の進展に即した法体系への整備が続いている。

 「著作権コンプライアンスの徹底は、もはや世界的潮流です。働き方改革でテレワークなどが普及すれば、文書の電子化や共有がますます進むでしょう。許諾を受けた著作物とそうではないものが無数に混在する社内をどう管理し、・知らずに違法・の過ちを回避するか。今すぐ対策が必要です」

 製薬・化学業など、学術文献等の利用に慣れた著作権対策の先進企業の多くは、こうしている。

1.著作権管理団体とライセンス契約を結び、2.著作権管理ソフトで許諾の判別を自動化し、3.社内トレーニングで理解を深める。加えて、経営層の意識改革は絶対だ。

転ばぬ先の杖
「JAC-DCL」で得る安心
 
 
 JAC-DCL(JACデジタル著作権利用許諾契約)とは、数百万点におよぶ世界中の著作物を企業・組織内において一定の範囲で保存・蓄積・共有(複製)することを許諾する著作権包括ライセンスである。著作権管理団体の一般社団法人学術著作権協会(JAC)が提供するサービスで、米国の著作権管理機構Copyright Clearance Centerとの連携により、学術文書、新聞、雑誌、ブログなど国内外の著作物を幅広くカバーする。年間包括契約により、煩雑かつ多数の著作権処理業務をワンストップで委託することが可能。著作権コンプライアンスの遵守徹底と管理コスト削減に寄与する。