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2019年9月22日

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ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は21日、1次リーグB組の試合が横浜国際総合競技場であり、3連覇を目指すニュージーランド(世界2位)が23-13で、前評判の高い南アフリカ(同4位)を下した。

優勝候補の筆頭格同士の戦いは、前回王者ニュージーランドが実力を遺憾なく発揮し、闘志あふれる南アフリカを退けた。

開始1分、南アフリカのSOハンドレ・ポラードのペナルティーゴールで先行。序盤はスプリングボクス(南アフリカの愛称)が試合を優位に進めた。

キック不成功きっかけに

ところが、ポラードが試みた2本目のペナルティーゴールがポストに当たって外れたことで、試合の流れはオールブラックス(ニュージーランドの愛称)へと傾いた。

前半22分、ニュージーランドはSOリッチー・モウンガのペナルティーゴールで同点に追いついた。

直後の前半23分にはWTBジョージ・ブリッジが、同26分にもLOスコット・バレットが、瞬く間に連続2トライを挙げて、リードを奪った。

緊張した時間続く

後半に入ると、南アフリカが追い上げを見せた。

後半7分、FLピーターステフ・デュトイがトライを決めた。同18分には、SOハンドレ・ポラードのドロップゴールで4点差に迫った。

1トライで逆転という緊張した時間が続いた。

しかし終盤、オールブラックス(ニュージーランドの愛称)はモウンガとFBボウデン・バレットがそれぞれペナルティーゴールを成功。南アフリカを突き放した。

「負けたとは思わない」

これで、ニュージーランドは2007年大会の準々決勝でフランスに敗れたのを最後に、W杯で15連勝となった。

試合後、ニュージーランドのスティーヴ・ハンセン監督は、「両チームにとって大一番だった。私たちが幸運にも勝利できた」、「南アフリカは必ずカムバックするチームだ」と話した。

一方、南アフリカのヨハン・エラスムス監督は、「相手が勝ったが、私たちは負けたとは思わない」、「相手の規律は素晴らしく、その面で負けた」と語った。

南アフリカは9月28日にナミビア、オールブラックスは10月2日にカナダと次戦を戦う。

優れた能力を見せつけたオールブラックス

ニュージーランドと南アフリカはともに決勝トーナメントに進むことが確実視されており、素晴らしい熱戦の中でともに優勝候補の一角であることを印象づけた。

最初の20分間は、南アフリカが前に出ながらボールを確保し続け、ニュージーランドに対して優位に立った。

中心選手のSOファフ・デクラークがリードするスプリングボクスは、15分間で20ラックのラックを獲得した。

しかし、前半20分を過ぎたころから、オールブラックスが反撃に転じた。

日ごろは安定したプレーをするデクラークのパスミスを、ニュージーランドのモウンガが拾って、相手トライラインに迫った。南アフリカのWTBマカゾレ・マピンピが戻って直前で止めたものの、ボールを確保しようとする前にモウンガを離さなかったホールディングの反則を取られた。

ニュージーランドは、主将キーラン・リードが望んだ認定トライは得られなかったものの、ペナルティーゴールを決めて試合を振り出しに戻すことができた。

それまで南アフリカに試合を支配されて苦しんでいたニュージーランドにとって、これが転機となった。

主導権が移った5分間

直後にオールブラックスは、WTBセブ・リースが相手WTBマカゾレ・マピンピをかわしてスプリングボクス陣深くまで切り込んだ。ゴール前でラックとなり、FBバレットが目の前に空いたスペースを突いてブリッジにつなぎ、チーム初トライを挙げた。

オールブラックスはさらに3分後に2本目のトライを奪う。CTBアントン・レーナートブラウンが南アフリカディフェンスを引きつけてLOバレットに浮かし、バレットがポスト真下に飛び込んだ。

この5分間の攻防で南アフリカは試合の主導権を失った。

一方、大会前に世界ランク1位の座は失っていたオールブラックスは、その優れた能力を世界中に知らしめた。

たびたびチャンス逃した南アフリカ

1995年と2007年のワールドカップを制している南アフリカは今大会でも優勝候補であり、この開幕戦で前回王者を倒しうる実力があることを示した。

後半、オールブラックスのゴール前のラックから南アフリカのFLピーターステフ・デュトイが抜け出してトライを奪い、7点差に追い上げ再び勢いを取り戻した。

さらに、ポラードが冷静にドロップゴールを決めて13−17の4点差まで追い上げた。

だが、ボールを持って前進した総距離で372メートルと367メートルのオールブラックスを上回ったにもかかわらず、攻撃の決定力を欠いた。それが残念な結果につながった。

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WTBチェスリン・コルビは定評ある素晴らしいスピードと切れ味鋭いステップをこの日も披露した。しかし、せっかくゴール前に迫りながら、タックルされると、しっかりとラックにするのではなく、焦ってパスをつなごうとしてボールを投げ捨ててしまった。

ニュージーランドはこのボールを確保して攻めに転じ、南アフリカの反撃のプレッシャーから逃れることができた。このチャンスでスプリングボクスがトライしていたなら、感動の結末を迎えていただろう。

南アフリカとニュージーランドはプールBを勝ち抜くとみられており、決勝トーナメントで両者が再戦するとしたら、それは決勝の舞台でとなる。

この試合の最優秀選手:FBボウデン・バレット(ニュージーランド)

この試合の最優秀選手には、ボールを持って鋭い前進を何度も見せたニュージーランドのFBバレットが選ばれた。

(英語記事 New Zealand beat spirited Springboks

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49782229

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