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2019年10月7日

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ドナルド・トランプ米大統領が政敵に対する汚職捜査をウクライナ政府に要請した問題で、情報機関の内部告発者を担当する弁護士が6日、情報機関から2人目の内部告発者が現れたと米メディアに明らかにした。

トランプ大統領が7月25日にウクライナの大統領に電話で、民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子の汚職疑惑について捜査を要請したことについて、情報機関の監察総監に告発した情報機関職員を担当する弁護士、マーク・ゼイド氏はABCニュースに対して、2人目の情報機関職員がこの問題について監察総監に告発したと話した。

2人目の告発内容は明らかにされていない。ゼイド弁護士によると、この2人目の内部告発者は、トランプ氏とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との通話内容について一次情報を持つ人だという。

8月に監察総監に告発した最初の情報機関職員は、自分が直接通話を聞いたわけでも、それに伴うホワイトハウスの行動を直接見たわけではないと認めていたため、トランプ氏の支持者たちは「又聞き」による告発を批判していた。

2人目の告発者について、ホワイトハウスは反応していない。

トランプ氏は自分への告発内容と弾劾調査について、一貫して反発している。内部告発者を「スパイのよう」などと呼び、非難も繰り返している。

ゼイド弁護士はツイッターでも、「確かに私たち弁護団が、2人目の内部告発者の代理人を務めている。告発者たちは法の下で保護された形で情報を明らかにした。反撃はあり得ない。この内部告発者は一次情報を持っている」と書いた。

https://twitter.com/MarkSZaidEsq/status/1180839570839101443


4日には米紙ニューヨーク・タイムズが、問題の電話について「もっと直接的な情報」をもつ人物が告発を検討していると報道していた。この人物が、今回ゼイド弁護士が担当する情報機関職員と同一人物かは明らかになっていない。

トランプ氏個人の顧問弁護士、ルディ・ジュリアーニ氏は、また「秘密の情報源」が出てきたのは意外ではないとツイートし、弾劾調査は政治的な思惑によるものだと、「(ワシントンの)沼のメディア」を攻撃した。

2人目の内部告発の意味は

野党・民主党は多数を占める下院で、トランプ氏に対する弾劾調査に着手している

調査を進める下院の情報委員会は、問題の電話会談を直接聞いていたか、追加情報を持つ人物の証言を求めている。

2人目の内部告発者はまだ、下院情報委に情報を提供していない。ニューヨーク・タイムズによるとこの人物はすでに、最初の告発内容の裏づけを求める情報機関監察総監に話をしている。

ホワイトハウスは民主党の弾劾調査開始を受けて、9月25日に通話記録の一部を公表した。しかし、下院情報委は通話の全容を議会に明らかにするよう、国務省に関連書類の提出を命じた。

マイク・ポンペオ国務長官は6日、下院の召喚に応じる姿勢を示したが、国務省職員は議会からいじめに遭っていると不満をあらわにしている。


トランプ氏のウクライナ問題 4つのポイント

トランプ氏はなぜ調査されているのか

情報機関の内部告発者が、2020年米大統領選で対立候補になる可能性が高いバイデン前副大統領について、トランプ氏がウクライナ政府に捜査を要請したことは、「大統領権限を使い、2020年米大統領選に介入するよう外国に働きかけた」ことに相当すると指摘したため。

それは違法なのか

立証されれば、確かに違法だ。アメリカの選挙に勝つため外国の組織や人物の支援を求めるのは、法律違反。しかしトランプ氏は、自分は何も間違ったことはしていないと主張している。

次の展開は

民主党が多数を占める下院が、トランプ氏の弾劾決議を可決すれば、与党・共和党が多数の上院が弾劾裁判を開くことになる。

大統領の解任は

上院の弾劾裁判の後、上院議員の3分の2以上が賛成すれば、大統領を解任できる。しかし、現在の上院は、定数100議席のうち共和党が53議席を占める。解任の動議成立に必要な3分の2以上の賛成票を得るには、多数の共和党議員が造反する必要があるため、大統領が実際に解任される見通しは少ない。

また、ロシア疑惑に対するロバート・ムラー特別検察官の捜査で明らかになったように、現職の大統領は起訴しないというのが司法省の基本方針となっている。

(英語記事 Trump impeachment: Second whistleblower emerges

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49956177

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