BBC News

2019年10月7日

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米ホワイトハウスは6日夜(日本時間7日午後)、これまで支援していたシリア北東部のクルド人民兵組織に対するトルコの軍事作戦に、アメリカは関与しない方針だと発表した。これは従来の方針からの一大転換を意味する。またトルコは今後、この地域のイスラム過激派組織ISの捕虜について全責任を負うことになった。

ホワイトハウス声明は、ドナルド・トランプ米大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の電話会談後に発表された。

トルコはかねてクルド人部隊をテロリストに指定し、シリア国境周辺から排除したいと考えている。また、国境付近に滞在する最大200万人のシリア難民についても、別の場所に移動させたい考えだ。

トルコは間もなくシリア北部へ進攻

ホワイトハウスは声明で、「トルコは間もなく、長年の計画だったシリア北部への進攻を開始する」と発表した。

「アメリカ軍はこの計画について支援も関与もしない。また、この地域のIS『帝国』を打倒したアメリカ軍は今後、この地域には駐留しない」

また、過去2年で捕虜にしたIS戦闘員の扱いを全てトルコに委ねるとしている。

「アメリカ政府はこれまで、捕虜となった多くのIS戦闘員の出身国であるフランスやドイツなど欧州各国に、捕虜の帰国を受け入れるよう要請してきたが、各国はこれを拒否した」

「アメリカがこの捕虜たちを今後何年も管理し続ければ、それはアメリカの納税者にとって大きな負担となる。そのようなことをアメリカはするつもりはない」

トルコとクルド人、アメリカの関係

クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」は、トルコ南部と国境を接するシリアで活動している。YPGはシリア民主軍(SDF)の大部分を占めており、SDFはアメリカ軍の支援を受けてIS掃討に貢献した。

一方でトルコは、YPGをテロ組織と認定。クルド人地域のトルコからの独立を訴えているクルド労働者党(PKK)も、YPGと関係していると考えている。

トルコ政府はかつて、アメリカがYPGを支援していることを非難していた。YPGはPKKとのつながりを否定している。

こうした中、エルドアン大統領は先に、近くシリア北東部への進攻を開始するとほのめかしていた。

トランプ氏との電話会談でエルドアン氏は、北大西洋条約機構(NATO)が今年8月に約束していた、シリア北東部の「安全地帯」確保が遅れていることに苛立っていたという。

トルコは、この安全地帯からYPGの戦闘員を完全に排除したい考え。また、シリア内戦などでトルコ領内に避難してきたシリア難民360万人のうち、最大200万人をこの安全地帯に移住させたいとしている。

(英語記事 Trump makes way for Turkish operation in Syria

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49956496

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