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2019年10月11日

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ガラスが割られ、炎が上がり、バリケードが破壊される――。香港で続く反政府デモはここ数日、無秩序な状態に陥っているように見える。

しかし多くのデモ参加者たちは、暴力が続く中で、襲撃する施設を意図的に選んでいる。それはスターバックスであり、元気寿司であり、吉野家であり、その他の特定の店舗、そして地下鉄だ。

でもなぜスターバックスなのか。どうして元気寿司なのか。

中国の大企業は狙われやすい

香港は複雑だが、大きく2つに分けられる。デモおよび反中国政府の姿勢を支持する人と、親中国政府の立場を取る人だ。

平和的だった抗議行動が破壊や落書きをともなうものに変化したとき、デモ参加者のターゲットとなったのは中国本土系の大企業だった。例えば中国銀行や、家電メーカーの小米科技(シャオミ)だ。

ただ、もう少し目立たない店も狙われている。

スターバックスが襲われるわけ

スターバックスはアメリカのコーヒーチェーンだ。しかし香港では、地元の外食大手・美心食品(Maxim's Caterers)がフランチャイズ展開している。

この会社の創業者の娘、伍淑清(アニー・ウー)氏は9月11日、香港の女性団体(Hong Kong Federation of Women)の代表として国連人権委員会に出席。香港のデモを、「少数の過激な抗議者」が「組織的、計画的な暴力行為」をしていると批判した。

これがデモ参加者たちを逆なで。スターバックスはデモ参加者たちの怒りの矛先のひとつとなった。


美心食品は、スターバックス以外にも、いくつかの海外有名外食チェーンも運営している。そのリストに含まれているのが、日本の元気寿司と、東海堂(アロームベーカリー)だ。

そのため両方とも、デモ参加者の攻撃の的となった。

美心食品は、伍氏は同社の経営に関与していないとの声明を出したが、いまのところ効果はみられていない。

吉野家の事情

牛丼チェーンの吉野家も、攻撃対象となっている。

これも、香港でフランチャイズ展開する企業の代表者が、香港の警察と政府を支持すると表明したのがきっかけだ。

吉野家の店舗では窓ガラスが割られ、壁いっぱいに落書きがされている。

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まぎらわしい店舗も

中国本土と関係があると間違って認識され、デモ参加者の怒りが向けられている店もある。

上海商業銀行は、屋号からは中国本土の企業のように思えるが、じつは香港の企業だ。

台湾が本拠の一芳(台湾水果茶)も、中国本土と関係があると一部で誤解されている。

ともにデモ参加者に襲撃されたが、その後、襲撃した人たちは謝罪を表明。自分たちで後片付けをした。

こうした混同を防ぐため、デモ参加者は色による識別システムを開発。ネット上で黒、赤、青の色分けをし、叩きのめす店、スプレーで汚す店、単にボイコットする店に区別をしている。デモを支持する店は黄色で示している。


香港の地下鉄は、香港政府が最大の株主。8月中旬に中国国営メディアから、「反乱者」を助けていると批判されて以来、デモの際にはいくつかの駅を閉鎖するなどしている。

そのためデモ参加者は、地下鉄も施設の一部を破壊したり、放火したりするなど攻撃対象にしている。

(英語記事 Why Starbucks? The brands attacked in Hong Kong

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50010740

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