BBC News

2019年11月21日

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デイブ・リー北米テクノロジー担当記者

米グーグルは20日、支持政党に基づく政治広告のターゲット設定を今後は認めないと発表した。年齢や性別、地域に基づくターゲティングは規制されない。

選挙陣営は今後、自分たちが持つ将来的な有権者のデータベースと、グーグルユーザーを「カスタマーマッチ」することができなくなる。カスタマーマッチを使用すると、ユーチューブやグーグル検索エンジンなどのプラットフォーム全体でターゲットを設定できる。

グーグルによると、政治広告に関する新規則は「1週間以内に」イギリスで導入開始となり、順次ほかの地域でも導入していくという。イギリスでは来月、総選挙が予定されている。

また、政治広告を規制していないフェイスブックとは対照的に、明らかに誤解を招く内容の広告についても制限すると付け加えた。

同社製品管理トップのスコット・スペンサー氏は20日のブログで、「我々は安定した政治対話が民主主義における重要な側面だと認識している。そして、あらゆる政治的主張や反対要求、ほのめかしを分別をもって見極められる人はいない」と説明。

「我々が規制する政治広告の数は非常に限定的になると予想しているが、明らかな違反に対しては規制を継続していくだろう」と述べた。

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フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、同社のソーシャルネットワークでは選挙の候補者や選挙陣営による広告について、事実確認は行わないとしている。

一方、ツイッターは先月、同社が運営するSNS上での政治広告の掲載を今月22日から世界中で禁止すると発表した。

データベースが示すもの

どのニュースウェブサイトに頻繁にアクセスしているかなどの、ユーザーの閲覧傾向をもとに、グーグルは各ユーザーの政治的思想が左寄りか右寄りかを推測する。

アメリカでは、イギリスなどのほかの国と違い、選挙陣営には政治的思想に基づいて特定の人々に広告を表示する選択肢が与えられている。

一方でほかの国では、選挙陣営がグーグルに対して党員データベースなどの連絡先一覧をアップロードすることで、グーグルユーザーとカスタマーマッチさせ、特定のユーザーに広告を表示することが可能だった。こうしたカスタマーマッチが、今後は禁止される。

スペンサー氏は、「こうした変更を適用するには時間を要するだろう。我々は、1週間以内に(英総選挙が始る前に)イギリスで新規則の導入を開始し、欧州連合(EU)では年末までに、それ以外の地域では2020年1月6日から導入を始める方針だ」と述べた。

選挙陣営は今後も、ほかの広告主と同様、サッカーの動画や経済関連記事など、特定の内容ごとにターゲットを絞ることはできるという。

違反広告の詳細を公開

グーグルの新規則違反とみなされた広告に対するあらゆる措置は、同社の透明性レポートで公開されることとなる。

同ページには、削除された広告の詳細が掲載されるが、広告そのものは掲載されない。グーグルは、こうしたデータはダウンロード可能な状態で維持されるため、自主的に分析が可能だとしている。

政治広告収入の割合

グーグルの2018年の広告収入は総額1160億ドル(約12兆5900億円)だったが、そのうち政治広告収入が占める割合は比較的小さい。

たとえば、今年3月以降のグーグルのデータによると、イギリス国内では政治広告に17万1250ポンド(約2400万円)しか使われていなかった。

グーグルがデータの開示を始めた2018年5月以降、アメリカでは、グーグルに掲載する政治広告に1億2800万ドル(約138億9000万円)が投じられている。

グーグルに政治広告費を最も多く払っているドナルド・トランプ米大統領の団体「Trump Make America Great Again Committee(TMAGAC)」は、同データ開示以降、850万ドル(約9億2000万円)を投じている。

(英語記事 Google to restrict political adverts worldwide

提供元:https://www.bbc.com/japanese/50498834

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