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2019年11月25日

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ミシェル・ロバーツ健康担当編集長、BBCニュースオンライン

より多くの人が80代後半あるいはそれ以上まで長生きするイギリスでは、「高齢」の判定方法や定義を再考すべきかもしれない――。複数の専門家がそう指摘している。

英国家統計局(ONS)は、従来、65歳が「高齢」の始まりとされてきたが、70歳が「新しい65歳」として捉えることができるとしている。

その理由は、節目となる65歳の誕生日を迎える多くの人が、さらに15年は生きると予想されるからだ。

ONSは、平均余命の延びは「高齢」についてのより良い指標かもしれないとしている。

何歳が高齢?

従来、65歳が高齢の入り口とされてきた。

数十年にわたり、退職し、年金の受給が開始できるのは65歳だった。

しかし、労働形態は変化しており、年金受給資格年齢は男性も女性も引き上げられている。2020年までには66歳に、2028年までには67歳にまで先送りされる見込みだ。

ONSは、現代人はより長く、より健康的な人生を送っているとしている。つまり私たちは、「高齢」がどういうものなのかを判断する際に、単なる実年齢だけでなく、この先に続く何年分もの時間についてよく考えなければならないということだ。

平均寿命の延び

ONSの加齢・人口統計チームは、健康と平均余命に関する人工データを見返し、時間の経過と共に変化する傾向を比較した。

残り15年の寿命を見てみると、この分岐点に差し掛かるであろう平均年齢が、過去10年の間で変化していた。

1951年には、60歳前後の男性と女性があと15年生きると予測されていた。それが1990年代までには65歳の人が、現在では70歳の人が、あと15年生きる可能性があるとみられている。

2057年になると、この平均年齢は75歳にまで延びると専門家は予測している。

こうした延びは、保健医療や生活環境が改善されていることによるものだが、残りの人生を健康的に過ごすことはできるのだろうか。「高齢」のスタートラインを65歳から70歳へと変えるのは公平なことなのだろうか。

年をとり、より健康に?

年齢別の健康状態は、時間の経過とともに良くなっていっている。

しかし、あと何年生きるかという想定寿命に基づく健康状態は、一部の事例では低下がみられ、べつの事例では改善がみられた。

研究者が算出したところによると、2017年の70歳の女性の一般的な不健康状態の度合いは、1981年の60歳女性と同程度だった。一方で、長期的な病の度合いは、1981年の64歳女性と同程度だった。

男性の場合は、2017年の70歳の不健康状態は1997年の65歳と同程度で、長期的な病の度合いは1997年の57歳と同程度だった。

したがって、健康状態を考慮したとしても、現代の70歳を新たな65歳(あるいはもっと若い年齢に相当するかもしれない)とみなすのは公平なようだ。

貧困による健康格差は残ったまま

中高齢者への支援活動を行うエイジUKの上級リサーチマネジャーのリビー・ウェブ氏は、「現在の70歳の平均余命は、かつての65歳と同じだ。平均的には、過去よりも健康状態はよくなっているのは明らかだ」としている。

しかし一方で、多くの人は依然として終末期の健康状態が良くないという。

ウェブ氏によると、平均余命が改善されたということは、複雑な介護を必要とする「非常に高齢」の人が増えたことを意味する。一方で、最も裕福な人と最も貧しい人の健康格差の問題は、残ったままだという。

それでも、高齢化社会を悲観的に見るべきではないという。

「我々は、自分より年配の人が、賃金労働やボランティア活動などを通じて、我々の社会に対して本当に重要な貢献をもたらしていると理解している。年齢というのは単なる数字に過ぎず、それぞれにとって様々な意味がある」

(英語記事 Old age: Why 70 may be the new 65

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50484657

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