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2019年11月28日

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バングラデシュの裁判所は27日、2016年にイスラム過激主義の武装集団がカフェを襲い22人が死亡した事件について、被告7人に死刑判決を言い渡した。

事件では、イスラム過激主義の戦闘員5人が、首都ダッカのグルシャン地区のカフェ「ホーリー・アーティサン」を襲撃し、客を人質にとった。12時間にわたる立てこもりの末、機動隊が突入し13人を救出したものの、日本人7人を含む22人が亡くなった。

襲撃犯は突入の際に警察に殺されたが、襲撃を計画し武器を供与したとして8人が起訴されていた。うち1人は無罪となっている。

事件については過激派勢力「イスラム国」(IS)が犯行声明を出したが、バングラデシュ政府はこれを否定。地元の武装集団によるものだとしている。

この事件以降、政府は政情を不安定にしていると、武装集団を厳しく取り締まっている。

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ゴラム・サルワル・カーン検察官は判決の後、被告たちの有罪は「疑いようもなく証明された」と述べた。

「裁判所は最も重い刑を科した」

一方で被告たちの弁護人は、控訴する方針を示した。バングラデシュでの死刑は絞首刑によって執行される。

襲撃で死亡した警察官ロビウル・イスラムさんの妻ウンメ・サルマさんは、一刻も早く死刑が執行されることを望んでいると話した。

サルマさんはBBCベンガル語の取材に対し、「私たちの社会では、夫を失くした女性が2人の子どもと共に暮らすのはとても難しい。それでも私は敬意と支援を与えられているので幸運だと思う。夫は国のために死に、殉職者とされているので」と語った。

襲撃犯たちは、同国で非合法団体に指定されているイスラム過激派勢力「ジャマエトゥル・ムジャヒディーン・バングラデシュ(JMB)」の一員。

判決読み上げで裁判官は、被告たちが公共の安全を阻害し、混乱を作り出そうとしていたと説明した。

AFP通信によると、退廷する際に被告の何人かは「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と叫んだという。

この日、裁判所の周囲は封鎖され、何百人もの武装した警官が裁判所の建物を囲んだ。

当局によると、この襲撃の主犯の1人とされていたヌルル・イスラム・マルザン容疑者は、2017年1月に対テロ警察との銃撃戦で死亡している。

バングラデシュの襲撃とは

イスラム過激主義の戦闘員5人は2016年7月1日、首都ダッカのグルシャン地区のカフェ「ホーリー・アーティサン」を襲撃。武装した戦闘員はカフェ内で銃を撃ち、客を人質に取った。

人質のほとんどは外国人だった。犠牲者は、襲撃犯に撃たれたり切り付けられたりして死亡したという。

また、警察官2名が戦闘で命を落とした。これを受け、当局は軍の特殊部隊を出動させた。

12時間におよぶ立てこもりの末、特殊部隊は建物内に突入し、人質13人を救助。襲撃犯全員を殺害した。

犠牲となった外国人はイタリア人9人、日本人7人、アメリカ人とインド人が1人ずつだった。

バングラデシュ軍のナイム・アスラフ・チョードリー准将は、犠牲者は鋭い武器で「残虐に」攻撃されていたと話した。

シェイク・ハシナ首相は事件当時、「これは極めて凶悪な事件だ」と批判。「襲撃犯は一体どんなイスラム教徒だというのだ。彼らには宗教がない」と述べている。

地元メディアは、警察の捜査で襲撃の準備と遂行に21人の過激派メンバーが関わっていたことが分かったと報じている。このうち襲撃犯5人に加え、その後の作戦で8人が殺された。

当局の対応に批判も

この事件後に当局は武装組織に対して大規模な掃討作戦を展開した。戦闘員と疑われる少なくとも80人が死亡し、300人以上が逮捕された。

この作戦以前は、宗派性のない記者やブロガー、宗教的マイノリティーなどを標的にした攻撃が続いていた。

バングラデシュ政府は、こうした攻撃の背後にISやアルカイダといった国際テロ組織がいることを否定し続け、ほとんどの事件はJMBの責任だと主張している。

一方、当局の戦術に対する懸念の声もやまず、国連などは、バングラデシュの治安当局が強制連行や司法手続きの伴わない殺害、拷問などを繰り返していると非難している。

(英語記事 Islamists sentenced to death for 2016 cafe attack

提供元:https://www.bbc.com/japanese/50582218

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