2020年8月10日(月)

矢場とん

2019年12月20日

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東海道新幹線沿線には、出張でも、家族旅行でも、一度は行きたい、食通をうならせる数多くの名店がある。
熱々の鉄板にキャベツをのせ、その上に希少部位のリブを贅沢に使った「極上リブ鉄板とんかつ」 写真を拡大

 名古屋独自の食文化といえば味噌。それも、米でも麦でもなく、大豆で作った赤味噌だ。味噌煮込みうどん、味噌おでん、味噌かつと、赤味噌を使った名物料理は多い。

昭和22年、創業当時の店舗

 味噌かつのルーツは「矢場とん」といっても過言ではない。昭和20年代初頭、終戦後の名古屋の雑踏のなか、屋台の飲み屋で飲んでいた客が、つまみに食べていた串カツをどて鍋の中に浸して食べた。「うまい!」。そこに居合わせた客が、試しにつけてみると「確かにいける」。それが矢場とん創業者の鈴木義夫だった。

 鈴木はみそだれを商品化すべく試行錯誤し、満足のいくみそだれを開発した。満を持して、1947(昭和22)年に「矢場のとんかつ」を創業。何もない時代に、みそかつは大変高価でめったに口にできないご馳走だった。しかし、矢場のとんかつが人気店になるにつれ、みそかつも地域に浸透していった。

 みそだれというと、甘くてこってりしたみそだれを想像するかもしれない。しかし、矢場とんのみそだれはこってりしていない。むしろ、赤味噌独特の旨味に特徴がある。どて鍋に浸して食べたという当時のイメージを守り続け、さらりとして、しつこくない。1年半熟成させた天然醸造の豆みそを、毎日、使う分だけ限られた職人が味付けする。

 主役の豚肉は上質な南九州産を中心に厳選している。もちろん生肉。しばしば豚肉を叩いて柔らかくするが、矢場とんでは叩くことはない。よい肉は叩かなくても十分に柔らかく美味しい。逆に、叩くと豚肉の旨味が半減するという。

 パン粉は噛んだときのふんわり感とカリっと感を実現するため、生パン粉と乾燥パン粉をブレンド。仕上げの揚げ油はサラダ油にラードをブレンドして油切れをよくしているためしつこさがなく、胃にもたれない。シンプルな料理だからこそ、素材にはこだわりぬいているのだ。

草鞋のように大きい「わらじとんかつ」 写真を拡大

 矢場とんでおすすめメニューは、なんといっても「わらじとんかつ」。ロースとんかつのほぼ2倍もあるわらじのような形と大きさは、食べ応えたっぷり。 冬場は一頭から約2%しかとれない希少部位リブを贅沢に使った「極上リブ鉄板とんかつ」もおすすめ! 創業当初からのロングセラー「串かつ」はビールのつまみに欠かせない。