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2020年1月29日

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オーストラリアのピーター・ドハティー感染・免疫研究所は29日、中国で流行している新型コロナウイルスの培養に、中国国外で初めて成功したと発表した。診断方法や治療法の開発を促進する「大きな前進」になると期待されている。

この結果は世界保健機関(WHO)に提供される。中国の研究施設もすでにウイルスを培養し、ゲノム情報をWHOと共有していたが、ウイルスそのものは共有できていなかった。

このウイルス(2019-nCoV)によってこれまでに中国国内で100人以上が死亡、4500人以上が感染している。

このほか、タイやフランス、アメリカ、オーストラリアなど15カ国で少なくとも47例が確認された。中国国外では死者は報告されていない。

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ピーター・ドハティー感染・免疫研究所の研究者たちは24日に、感染者から採取したウイルスのサンプルを入手。ウイルスの培養に成功した。

同研究所のマイク・キャットン博士は、「我々はこうした事態に何年も、何年も備えてきた。だからこそ、これほど早く答えが得られた」と説明した。

「突破口」になるか

培養されたウイルスは実験のための「対照材料」として使われ、「診断の突破口になるだろう」と言われている。

例えば、症状が出る前にウイルス感染を検知する早期診断テストなどに用いられる可能性もある。

中国当局は、新型ウイルスはインフルエンザなどと同様、発症前の潜伏期間中にも感染力を持つと指摘している。

一方でWHOは、発症前にも感染力があるかは不透明だとの立場を崩していない。

キャットン博士は、「抗体検査をすることで、感染が疑われる患者を遡及的に検査できる。それによって、どのようにウイルスが広がっているのかより正確な経路が分かるし、結果として、正確な死亡率も割り出せるだろう」と説明した。

「また、臨床段階にあるワクチンの効果測定の助けにもなる」

WHOによると、新型ウイルスの潜伏期間は2~10日。

当局の封じ込め作戦にも関わらず、中国ではここ数日で感染者の数が飛躍的に増えている。

中国当局は、ウイルス発生源の湖北省武漢市や周辺の町を、事実上封鎖するため様々な措置を講じている。

(英語記事 Virus recreated outside China for the first time

提供元:https://www.bbc.com/japanese/51290825

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