BBC News

2020年5月12日

»著者プロフィール

イギリス政府は11日、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)緩和について新たなガイドラインを発表した。ボリス・ジョンソン首相は、多くの市民が「いきなり大きな洪水のように」仕事に戻ることはないだろうとの見方を示した。

イングランドではロックダウン緩和により、安全が確保されていれば仕事に戻ることができるが、ジョンソン首相はこうした施策は「ほんの一歩にすぎない」と話した。

イングランドでは13日から、2メートル以上の距離を取れば屋外での社交が解禁される。また、同居人とテニスなどのスポーツをすることも可能だ。

ジョンソン首相は11日の定例会見で、雇用主は職場を「COVID-19に対して安全」に保つ必要があると強調した。

「明日や今週末にかけて、大勢がいきなり大洪水のようにあふれ出て仕事に戻ったりという事態は、誰も想定していない」

「多くの人が自分が職場に戻るべきカテゴリーに入るのか、出勤を健闘してもいいのか、そういったことを考え始めると思う」

「抜き打ち検査を」

ジョンソン首相はイングランドの市民に対し、職場は「安全で、COVID-19に対しても安全であるべきだ。そうでない場合は従業員を強制的に働かせることはできない」と話した。

「みんなが他者と距離を取る施策に従わなければならない。健康安全庁(HSE)による検査を拡大し、企業が正しいことをしているかどうかの抜き打ち検査も行う」

「もし安全でない状況に置かれていると思ったら、ただちに当局にしてほしい。我々はすぐに対策を取るし、これはあらゆる職種に当てはまる」

イギリスでは11日、新型ウイルスに陽性と判断された210人が新たに亡くなった。全体の死者は3万2065人に上っている

政府は1日当たりの検査を10万件以上とする目標を掲げているが、10日には10万490件と、8日ぶりにこれを達成したとしている。

政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスは、国家統計局(ONS)のデータによると、現在イギリス国内では13万6000人のCOVID-19患者がいると説明した。

現在の実効再生産数(R)をもとに計算すると、この感染者数が半減するのは2週間後だとしている。

「公共交通機関では顔を覆うように」

政府はイギリス全体で守るべきガイダンスに加え、イングランドでの新型ウイルス対策についての戦略も明らかにした。

それによると、イングランドでは公共交通機関や一部の店舗を利用する際に、マスクなどで顔を覆うことが推奨される。

また13日からは、2メートル以上の距離を取れば屋外で1人の人物と会うことが許されるようになる。

政府の非常時科学諮問委員会(SAGE)は、屋外での感染リスクは屋内に比べて非常に低いとの見方を示している。

一方、ウェールズとスコットランド、北アイルランドの各自治政府は、引き続き「自宅待機」を呼びかけている。

ジョンソン首相は、地域ごとに新型ウイルス対策が異なるのは正しいことだと述べている。

<関連記事>

ビジネス・エネルギー・産業戦略省も、イギリスの雇用主向けのガイダンスを発表。ガイダンスは8つに分かれており、活動を再開できる産業に対し、他者と距離を取る施策をどのように導入すべきかなどを説明している。

経済活動再開に当たり、HSEにはコールセンターや検査員などの拡大に1400万ポンド(約18億5000万円)が補填された。

イギリスの労働組合評議会は、新しいガイダンスは「正しい方向への一歩」だと評価している。

さらにジョンソ首相は、イングランドの小学校を夏休み前に1カ月、再開したいとの考えを明らかにした。

しかし、他者と2メートル以上の距離を取る施策を続けるためには、1クラスの人数を15人以下にすること、休み時間をずらすこと、小まめな手洗いが必要になるという。

ジョンソン首相は、自宅で働けず子どもを預ける場所もない親はどうしたらいいかという質問に対し、雇用主が状況を理解してくれるだろうと述べた。

「保育所などへのアクセスがなく、子どもが学校に戻っていない場合は、それは仕事に復帰できない明らかな障害と見なすのが妥当だと思う。雇用主も同意するだろう」

これに対し最大野党・労働党のサー・キア・スターマー党首は、首相の10日の会見内容は不明確で、仕事に戻る人、子どもを学校へ送り出す親に安全を確信させるべきだと批判した。


イングランドでの戦略文書では、政府は今後も、健康に不安のある人たちには6月以降も外出を控えるよう呼びかけるとしている。

そのほか、戦略の内容は以下の通り。

  • イングランド市民は、イングランド内ならば自動車で屋外スペースに行くことができる。ただし、他の地域ではそれぞれのルールが尊重される
  • 70歳以上の健康な人は、国民保健サービス(NHS)から外出禁止と言われていなくても、他人との接触を最小限に抑えるために細心の注意を払う
  • 家の外で他人と一緒に仕事をする人は、こまめに服を洗濯する
  • 同居していない人たちが集まる場所では、窓や扉を開放しておく
  • COVID-19対策のため、「政府の構造や機関の迅速な再設計」が必要

こうしたルールに従わなかった場合の罰金は、13日から60ポンドから100ポンドに引き上げられる。繰り返し違反した人には、最大3200ポンドが科せられる。

(英語記事 PM 'not expecting' flood of people back to work

提供元:https://www.bbc.com/japanese/52628092

関連記事

新着記事

»もっと見る