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2020年7月14日

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世界保健機関(WHO)は13日、各国政府がこれまで以上に断固とした対応をとらない限り、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は「ますます悪化」すると警告した。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、「あまりに多くの国が間違った方向に向かっている」と、この日の記者会見で述べた。

また、科学的裏づけのある対策を採用していない、あるいは順守していない場所で、感染者が増加しているとした。

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現在、アメリカがパンデミックの中心になっている。同国では感染症対策の専門家とドナルド・トランプ大統領が緊張関係にあるなか、感染者が増えている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、アメリカは世界で最も大きな影響を受けており、確認された累計感染者は330万人、死者は13万5000人をそれぞれ超えている。

「基本を守らないと…」

テドロス事務局長は、スイス・ジュネーヴのWHO本部で開かれた記者会見で、「各国で指導者たちがばらばらに矛盾したメッセージ」を発していることが、パンデミック抑制対策への信頼を損ねていると述べた。

また、「新型ウイルスは依然として、社会の最大の敵だ。しかし、多くの政府や人々の行動はそれを反映していない」と訴えた。

テドロス氏は、社会的距離の確保や手洗い、適切な状況でのマスク着用などの取り組みを真剣に進める必要があると主張。「近い将来にかつての日常に戻ることはない」として、気を引き締めるよう呼びかけた。

「基本が守られなければ、パンデミックは1つの方向に向かうだけだ」、「そうすれば、もっともっともっと悪化する」。

南北アメリカで感染急増

WHO健康危機管理プログラム責任者のマイク・ライアン博士は、アメリカ大陸の各国で見られるロックダウン(都市封鎖)緩和と閉鎖解除の動きが、「集中的な伝染」を引き起こしていると指摘した。

南アメリカ地域では、新型ウイルス関連の死者が14万5000人を超えている。ただ、検査が不十分なことから、実際にはさらに多いと考えられている。

死者の半数近くはブラジル人だ。同国ではジャイル・ボルソナロ大統領が厳格な感染防止対策に反対している。

ライアン博士は、広範囲のロックダウンは経済に多大な影響を及ぼすとした一方で、地域を限定しての実施は感染拡大を抑えるために必要だろうと述べた。

また、各国政府に対し、明快で「力強い」戦略を取るよう強く要求。「市民が理解すること、簡単に従えることが必要だ」と話した。

ワクチンや免疫は?

ライアン博士は、「新型ウイルスとの共存方法を学ぶ必要がある」と主張。新型ウイルスの根絶や、数カ月内のワクチン開発は「非現実的」だとし、過度の期待を戒めた。

さらに、感染して回復した人が免疫を獲得しているのか、獲得している場合はどれくらい長く免疫が持続するのかは不明だと述べた。

英キングス・コレッジ・ロンドンの科学者らが13日に発表した研究は、新型ウイルスの免疫は短期間しか続かないとしている。

この研究では、人体がどのように抗体をつくり新型ウイルスを撃退するのかと、そうした機能が感染からの回復後にどれくらい続くのかを、96人を対象に調べた。

その結果、ほぼ全員に新型ウイルスを中和または動きを止める抗体が確認されたが、その効果は3カ月の研究期間内に次第に弱まっていったという。

WHOの会見では、新型ウイルスの感染症COVID-19の子どもへの影響についても、専門家らが見解を表明。10歳未満の子どもでは症状は非常に軽く、10歳以上では若い成人並みの軽症を発症することが多いようだとした。

子どもの伝染力は弱いとみられているが、どの程度なのかはわかっていない。


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(英語記事 Nations 'heading in wrong direction' with Covid-19

提供元:https://www.bbc.com/japanese/53399371

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