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2020年9月10日

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実際は白人でありながら黒人と偽っていたことを告白したアメリカ人の学者が、勤務先のジョージ・ワシントン大学を辞職した。同大学が認めた。

アフリカ地域やアフリカからの移民を研究してきたジョージ・ワシントン大学のジェシカ・クルーグ准教授は3日、自分は黒人ではなく、カンザスシティー出身の白人のユダヤ教徒だと明らかにした。

クルーグ氏は、「私は自分の人生を暴力的かつ反黒人的なうそで作り上げてきた。ひとつ息をするごとに、うそをついてきた」と語った。

同僚たちは同氏の告白に「ショックを受け、がくぜんとした」と述べた。

クルーグ氏は3日に投稿したブログで、自分はこれまでアフリカ系の黒人、アメリカにルーツのある黒人、カリブ海にルーツのあるニューヨーク市ブロンクス出身の黒人だとアイデンティティーを主張してきたものの、「私にはそう主張する権利がない」と告白した。

大学がツイッターで発表

ジョージ・ワシントン大学は9日、クルーグ氏が辞職したとツイート。「今学期の彼女の授業はほかの教員が教えることとなる。当該コースを受講する学生には、今週中にさらなる情報を提供する方針」としている。

クルーグ氏はこの件についてコメントしていない。

人種詐称を受け、ジョージ・ワシントン大学史学科のクルーグ氏の同僚たちは4日、同氏の辞任あるいは終身雇用資格の剥奪を求める共同声明を発表していた。

同大学も同日、クルーグ氏は今学期は授業で教えないことになったと発表。「多くの学生や教員、スタッフ、卒業生が傷ついている」としていた。

クルーグ氏は2018年にアフリカ地域やアフリカからの移民社会の政治と文化に関する著書「Fugitive Modernities: Kisama and the Politics of Freedom」を出版している。

告白の内容は

クルーグ氏は、人種を詐称してきたことは「暴力、窃盗、文化盗用そのもので、非黒人が様々な方法で黒人のアイデンティティーや文化を乱用する、そのやり方そのものだった」と語り、私生活でもこうした嘘をつき続けてきたと述べた。

また、幼少期のトラウマや心の健康の問題が原因だと説明する一方で、だからといって自分の詐称を言い訳したいわけではないと書いた。

現地メディアによると、クルーグ氏は活動家として、ジェシカ・ラ・ボンバレラという名前も使っていたという。

今年初めに投稿した動画でクルーグ氏は、白人のニューヨーク市民が「黒人や先住民にルーツを持つニューヨーカーに時間を割いていない」と非難していた。

クルーグ氏の告白は、白人の元活動家レイチェル・ドールザル氏が黒人だと詐称していた事件と酷似している。

ドールザル氏は2015年、両親が彼女は白人だと明かしたことで虚偽が発覚し、注目を集めた。

(英語記事 US university professor who posed as black resigns

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54097231

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