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2020年9月14日

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イスラエル政府は13日、新型コロナウイルスの流行拡大を受け、2回目となる全国的なロックダウン(都市封鎖)を18日から実施すると決めた。

イスラエルでは新型ウイルスの死者が1119人、累計感染者は15万5604人に上っている(米ジョンズ・ホプキンス大学の集計、日本時間14日午前)。同国の人口は約900万人。

ここ数週間は、1日あたりの新規感染者の報告人数が3000人を超えている。

ロックダウンは最短でも3週間は続ける予定。ユダヤ教の新年が始まるタイミングで、より厳格な規制を実施する。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相はテレビ演説で、ロックダウンにより「すべての人が大きな犠牲を払う」と述べた。ただ、イスラエルの新型ウイルスの新規感染者は1日約4000人に急増しているとし、規制の必要性を訴えた。

一方、ヤアコフ・リツマン住宅相は、ロックダウンがユダヤ教の重要な祝祭と重なることに抗議して辞任した。


ユダヤ教超正統派政党の党首を務めるリツマン氏は、ユダヤ暦で最も神聖な日とされるヨム・キプルの祭日(9月27日)などが祝えなくなるとして反対を表明。

同氏が率いる政党が連立政権から離脱する可能性にも言及した。

ロックダウンの内容

新たなロックダウンは、第1弾(3月後半~5月上旬)以来の広範な制限を国民に課す。以下の内容を含んでいる。

  • 10人を超える集会は屋内では禁止。屋外では20人までの集まりは可能
  • 学校やショッピングセンターは閉鎖する。出勤の場合を除き、自宅から500メートル以上遠くに外出してはならない
  • 民間の企業や商店は営業できるが、客の受け入れは禁止
  • 食料品店と薬局は客を受け入れられる

ネタニヤフ首相はユダヤ教の祝祭に影響が及ぶことについて、「いつものような休暇にはならない。家族たちと祝うことは、間違いなく不可能になる」と述べた。

屋内における集会の制限は、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)での礼拝に大きく影響する。

財務省は新たなロックダウンの経済への影響を、約65億シェケル(約2000億円)規模と予測している。新型ウイルスの大流行で、イスラエルは景気後退に入っている。


ユダヤ教超正統派の反応

ユダヤ教超正統派政党のリツマン党首は11日、辞任の声明でロックダウンについて、「間違ったことであり、何十万人もの市民をあざけるものだ」とした。

また、「今まで何をしていたのか? なぜユダヤ教の祭日が、新型ウイルスとの闘いで便利に使われるようになったのか?」と疑問視した。

一方、別のユダヤ教超正統派政党を率いるアリエ・デリ内相はツイッターに投稿した動画で、ロックダウンへの支持を表明。不服従は殺人にも等しい行為だとした。

感染対策めぐり政権批判も

ネタニヤフ氏は13日、ロックダウンの賛否を問う閣議で、リツマン氏の辞任は残念だと話した。

「我々は前進し、新型ウイルスの時代にイスラエルにとって必要な決断をしなくてはならない。この閣議では、まさにそれをする」

ネタニヤフ氏は、新型ウイルス対策で批判を浴びている。新たなロックダウンは、同氏の対策のまずさが招いたとの声が上がっている。

新型ウイルス流行の2回目の急増を迎えている国は数多い。しかし、地域を絞ったロックダウンを実施する国がほとんどで、全国規模のロックダウンを再実施する国は少ない。

(英語記事 Israel announces second national virus lockdown

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54143099

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