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2020年9月14日

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イラン政府は14日、レスリング選手ナヴィド・アフカリ受刑者(27)の死刑を執行した。アフカリ受刑者は2018年に起きた反政府デモで警備職員を殺した罪で有罪となったが、拷問されて自供したのだと訴えており、国際社会から刑の取り消しを求める声が上がっていた。

人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは、アフカリ受刑者の刑執行は「正義をゆがめた行為」だと非難している。

アムネスティが公開した流出音源では、アフカリ受刑者は「もし私が死刑になったら、全力を尽くして闘ったにもかかわらず、無実の人間が死刑になったと知ってもらいたい」と話している。

イランの国営メディアは、アフカリ受刑者は南部シラーで絞首刑になったと伝えている。

同受刑者の弁護士によると、イラン法に基づき家族との面会が認められないまま、刑が執行sれた。

アフカリ受刑者をめぐっては、選手団体の統括組織「世界選手協会」などが反発の声をあげていた。

世界約8万5000人のスポーツ選手を代表する同協会は、反政府デモに参加したことで「不当に標的にされた」と指摘。死刑を執行した場合には、イランを各スポーツの世界選手権から除外するよう求めていた。

アメリカのドナルド・トランプ大統領も、「街頭で反政府デモに参加しただけだった」とアフカリ受刑者の減刑を訴えていた。

国際オリンピック委員会(IOC)は声明で、アフカリ受刑者の刑執行を「非常に悲しいニュース」だとして、遺族や友人に哀悼の意を伝えた。

「世界中のスポーツ選手からの訴えや、水面下でのIOCの働きが(中略)実を結ばなかったことにひどく動揺している」

イランの人権擁護団体によると、アフカリ受刑者のきょうだいのヴァヒド受刑者とハビブ受刑者も、同じ罪状でそれぞれ54年と27年の禁錮刑を受けているという。

刑務所から流出した音源でアフカリ受刑者は、拷問されたと証言していた。受刑者の母親は、兄弟同士がお互いに不利になる証言を強要されたと話している。

またアフカリ受刑者の弁護士は、イラン・メディアの報道にあるような警備職員殺害の現場を映した動画は存在しないと主張している。証拠とされている動画は、事件の1時間前に撮影されたものだという。

イラン当局は、拷問の事実を否定している。

レスリングはイランで長い歴史を誇る人気スポーツで、アフカリ受刑者は国内チャンピオンだった。

(英語記事 Iran executes wrestler despite global outcry

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54142995

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