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2020年9月24日

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大統領選の不正疑惑をめぐり退陣要求が出ているベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(66)が23日、事前の告知なしに6期目の就任式を行った。これを受け、首都ミンスクでは大規模な抗議デモが続いている。

ルカシェンコ大統領の6期目の就任式には数百人が出席した。

野党メンバーは「泥棒集会」だと反発。先月9日の大統領選がルカシェンコ氏に有利に働くよう不正に操作されたと主張している。

抗議デモでは、警察にデモ参加者が殴られたり拘束されたりしたとの報告が上がっている。また、ある動画では放水砲が使われていることがわかる

メッセージアプリ「テレグラム」に投稿された動画には、デモ参加者が棒でたたかれ、頭から血を流す男性や女性が複数映っている。

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中央選挙管理委員会が発表した大統領選の結果によると、ルカシェンコ氏の得票率は80.1%、主要対立候補だったスヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏(38)は10.12%だった。

この大統領選をめぐっては不正選挙の懸念が浮上しており、ルカシェンコ氏の辞任を求める大規模な抗議デモがベラルーシ各地で1カ月以上続いている。

一部の欧州連合(EU)加盟国やアメリカは、ルカシェンコ氏をベラルーシの正当な大統領には認めないとしている。

一方でロシアのウラジーミル・プーチン大統領はベラルーシ大統領選の正当性を認めており、14日にはベラルーシへの15億ドル(約1590億円)の融資を表明した。

大統領就任式を強行

大統領就任式は通常、重要な国家行事として事前に十分告知された上で執り行われる。しかし、今回は違った。

国営ベルタ通信は23日、「アレクサンドル・ルカシェンコ氏がベラルーシ大統領に就任した。就任式は独立宮殿で現在行われている」と伝えた。

旧ソ連の構成国だったベラルーシを26年にわたり統治してきたルカシェンコ氏は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)という「国際的危機にひんする中」で同国には安全保障と総意が必要だと述べたと、ベルタ通信は報じた。

「私にはベラルーシ国民を見捨てることはできない。そんな権利はない」と、ルカシェンコ氏は付け加えた。

野党の反応は

「テレグラム」にある野党のネクスタ・ライブ・チャンネルは、23日午後6時からの街頭抗議デモを呼びかけ、車の運転手たちに道路を封鎖して交通渋滞を引き起こすよう促した。

同チャンネルは、「今日というこの日から、彼(ルカシェンコ大統領)は正式に、文明世界のどこでも認められない泥棒であり詐欺師となる」と述べた。

23日夜、デモ隊はミンスク中心部へと行進した。中には偽物の王冠をかぶって就任式をあざける人や、「裸の王様だ!」と書かれたプラカードを手にした人もいた。

しかし、市内は警察による厳重な警備が敷かれ、多数が拘束された。

隣国リトアニアに脱出したチハノフスカヤ氏は、「今日から(ルカシェンコ氏は)べラルーシの合法な国家元首でもなければ、正当な国家元首でもない」と述べた。

野党政治家のパヴェル・ラトゥシュコ氏はソーシャルメディアで、「歓喜する市民はどこにいるんだ? 外交団はどこだ?」と書いた。

「アレクサンドル・ルカシェンコ氏がOMON(機動隊)と一握りのうそつき当局者にとってだけの大統領であることは明白だ」とし、「市民的不服従の無期限行動」を呼びかけた。

こうした中、リトアニアのリナス・リンケビチュウス外相は、ルカシェンコ氏の就任式は「茶番」で「不法」だとツイートした。

ベラルーシの野党指導者のほとんどは逮捕されたり、国外へ亡命している。

当局による弾圧にも関わらず、反政府デモが収まる気配はない。20日にはミンスクに約10万人が集結し、ルカシェンコ氏の退陣を求めた。

(英語記事 Protests in Belarus as Lukashenko quietly sworn in

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54275280

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