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2020年10月6日

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新型コロナウイルスに感染し入院していたアメリカのドナルド・トランプ大統領(74)が5日夕、首都ワシントン近郊のウォルター・リード米軍医療センターから退院し、3日ぶりにホワイトハウスへ戻った。トランプ氏はすぐに選挙戦に戻ると誓った。

紺色のスーツにネクタイを締め、白いマスクを着けたトランプ大統領はこの日、入院先の病院を出発。拳を振り上げて回復をアピールし、専用ヘリコプター「マリーン・ワン」でホワイトハウスへ戻った。

トランプ氏は退院に先立ち、「気分はとてもいい!」、「COVID-19(新型ウイルスによる感染症)を恐れるな。自分たちの生活を支配させてはいけない」などとツイートした。

また、「すぐに選挙戦に戻る!!! フェイクニュースはフェイクな世論調査しか伝えない」と書いた。

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トランプ氏の病状の深刻さをめぐっては、先週末に主治医と側近がそれぞれ異なる主張を展開するなど、疑問が残っている。

また、トランプ氏の側近らの陽性が相次いで判明している。ホワイトハウス内で集団感染が起きているとみられるが、その規模も依然不明なままだ。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、アメリカではこれまでに745万3582人が新型ウイルスに感染し、103万9199人が死亡している(日本時間6日午前時点)。

トランプ氏と同時に陽性が判明したメラニア・トランプ大統領夫人(50)は現在、ホワイトハウス内で隔離されている。軽い症状が出ていると報じられている。メラニア氏はツイッターで、「気分はいい。今後も自宅で療養していく」と書いた。

「スーパー・スプレッダーか?」の質問に答えず

トランプ氏は病院を後にする際、「大統領、あなたはスーパー・スプレッダー(きわめて多数の人に2次感染させる感染者)ですか?」などとメディアから質問された。だがそれらには答えず、「皆さん本当にありがとう」と述べた。

ホワイトハウス到着後には1人でバルコニーに登場。親指を立て、敬礼すると、着けていたマスクを外した。

11月3日の大統領選まで1カ月を切る中、2期目当選を狙うトランプ氏は新型ウイルスに感染したことで選挙戦に大打撃をくらった。

トランプ氏は退院前のツイートで、「我々はトランプ政権下で本当に素晴らしい薬を開発し、知識を深めてきた。私は20年前よりも調子がいい!!」と述べ、COVID-19を恐れないよう国民に呼びかけた。

トランプ氏の主治医たちはこの日の会見で、治療の詳細について言及を避けつつ、経過は良好で、退院前に抗ウイルス薬レムデシビルを再投与するだろうとした。

主治医の主張

主治医のショーン・コンリー医師は5日午後、トランプ氏は「完全に危機を脱したわけではないかもしれない」が、医療チームは同氏の状態や経過を鑑みて、「24時間休みなしで世界クラスの医療体制が整った住居に安全に戻れる」と判断したと述べた。

コンリー医師は、トランプ氏がウイルス検査で最後に陰性となった時期や、治療の詳細については回答を拒んだ。また、患者保護法を理由に、トランプ氏の肺炎検査の詳細も提示しなかった。

一方で、今もステロイド剤「デキサメタゾン」の投与が続いていることや、レムデシビルを3回投与したことを認めた。退院前とホワイトハウス到着後に1回ずつレムデシビルを再投与するとした。

トランプ氏が選挙運動で安全に移動できるのかを問われると、「様子を見る」とコンリー医師は述べた。

また、大統領専用機「エアフォースワン」に同乗した際に自分が新型ウイルスにさらされているのではと懸念していたことを認めた。

しかし一方で、医師団はトランプ氏の好調さを繰り返し強調した。

コンリー医師は「我々は慎重に楽観的なままだ」だとし、トランプ氏は感染の非常に早い段階で治療を受けたと付け加えた。

「(来週)月曜日(12日)まで彼(トランプ氏)の体調を維持あるいは改善できていれば、我々はようやく深い安堵(あんど)のため息をつけるだろう」

側近らが相次ぎ陽性に

ホワイトハウスではトランプ氏の側近ら少なくとも12人の陽性が判明している。9月26日にホワイトハウスの庭や屋内で行われた式典が「スーパー・スプレッダー行事」となった可能性がある。

トランプ氏はこの式典で、がんのため亡くなった、故ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の後任として、エイミー・コーニー・バレット判事を指名。ホワイトハウス関係者ら約200人が出席した。

式典の画像を確認すると、マスクをしている人は少ない。席と席の間に2メートルの間隔はなく、出席者は互いに握りこぶしをこつんとぶつけあったり、握手をしたり、人によっては抱擁(ほうよう)を交わしたりしている。肩を組んで記念撮影をする人たちもいた。

ホワイトハウスはトランプ氏の陽性が判明して以降、陽性とわかったスタッフの人数を公表していない。

BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、9月の式典に出席していた、ハーベスト・クリスチャン・フェローシップ教会のグレッグ・ローリー主任牧師もCOVID-19に感染し、「軽い症状」が出ているとみられる。

ローリー氏は式典に先立ち、ワシントンで開かれた宗教イベントにマイク・ペンス米副大統領と共に出席していた。

トランプ氏退院前にも新たな陽性

5日には、ケイリー・マケナニー大統領報道官がウイルス検査で陽性とわかったと明らかにした。

米メディアによると、マケナニー報道官に近い人物2人も陽性だったという。

マケナニー氏は4日、マスクを着けずにジャーナリストたちに話しかける姿が目撃されているが、ホワイトハウスの医療ユニットは、濃厚接触者と判断された報道関係者はいないとしている。

(英語記事 Trump leaves hospital to continue Covid-19 treatment

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54418026

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