BBC News

2020年10月11日

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ドナルド・トランプ米大統領は10日、ホワイトハウスのバルコニーでマスクを外し、庭に集まった支持者に向かって演説した。ホワイトハウスは同日、トランプ氏が他人に新型コロナウイルスを感染させる危険はなくなったという主治医の診断を発表した。

新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」を発症し、入退院したトランプ氏は、集まった支持者たちに「気分は最高だ」と述べた。

トランプ氏は、自分はすでにCOVID-19に対する投薬治療を終えていると話している。

ホワイトハウスは同日、主治医ショーン・コンリー医師の診断を発表。それによると、「大統領は自主隔離を安全に終了するための疾病対策センター(CDC)基準を満たしただけでなく、今朝のPCR検査の結果、現行の基準では、すでに他人へ感染させるリスクがなくなった」ほか、発症から10日目の現在、24時間以上にわたり発熱がなく、全ての症状は改善し、高度な診断検査の様々な結果から、ウイルスが複製されているという証拠はもはやないと明らかになった」という。

選挙活動ではないとホワイトハウス

ホワイトハウスの庭には、黒人やラティーノの有権者の支持を共和党に集めようとする団体「BLEXIT」が集まった。

ホワイトハウスはこれは選挙活動の一環ではないと主張しているが、再選を目指すトランプ氏は経済や国境の壁、郵便投票など、自分の選挙集会の演説で触れる主要論点を展開した。

バルコニーでマスクを外した大統領は、野党・民主党の大統領候補、ジョー・バイデン前大統領が掲げる政策を「社会主義を超えている。もはや共産主義だ」と批判した。民主党内でバイデン氏は、穏健中道派とみられている。

トランプ氏はさらに、自分ほど黒人のために尽力した大統領はエイブラハム・リンカーン以来いないという持説を繰り返した。

さらにトランプ氏は、メキシコとの国境に建設を約束した壁はもうすぐ完成すると主張。これは事実とは異なる。メキシコ国境は全長3000キロ以上で、以前からあったフェンスの代わりに約400キロ分の壁が造られたが、新しい壁は約50キロに満たない。

トランプ氏はこの日、新型コロナウイルスは「消えつつある」と述べた。この演説の少し前に、米CDCは過去24時間で新たに5万8302人の感染が確認されたと発表している。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると(日本時間10日午前現在)、新型ウイルスによるアメリカの死者は21万4300人以上。

ホワイトハウスで選挙集会を開くのは、長年の慣例に反するだけでなく、連邦法に違反する可能性も指摘されている。

1939年制定のハッチ法は、連邦職員が職務中に選挙活動に関わることを禁止する。大統領と副大統領は除外されるが、ほとんどのホワイトハウス職員は処罰の対象となる。

トランプ氏は8月の共和党全国党大会でも、ホワイトハウスで撮影した様々な映像を中継したほか、指名受諾演説もホワイトハウスで行い、たとえ現職でも党大会はホワイトハウスから切り離すという長年の慣例を破っている。

数百人が密集

ホワイトハウスはこの日のイベントに先駆け、参加者にマスク着用と検温を義務づけたほか、社会的距離を保つよう要請したと説明していた。

しかし、実際には数百人が密集し、「もう4年! もう4年!」などと叫んでいた。

9月下旬にホワイトハウスで開かれた最高裁判事指名式典の出席者の内、少なくとも11人がウイルス陽性となったため、これが「スーパースプレッダー・イベント」だった可能性が高いと言われている。また米報道によると、ホワイトハウス職員や政権関係者の感染は30人以上になるとされている。

そうした中で再びホワイトハウスで大勢を集めた式典を開いたことについて、民主党幹部のアダム・シフ上院院内総務は、ホワイトハウスで「またしてもスーパースプレッダー集会」を大統領が開くことは、「道義的に破綻している」と批判した。

バイデン氏は9日、遊説先のラスヴェガスで、トランプ氏による支援者集会の開催や、集会における緩やかな感染対策を非難。「マスクをしていて距離を保てるのでなければ、自分なら行かない」と述べた。

(英語記事 Covid: Trump 'no longer a transmission risk to others' / White House rally: Trump holds first public event since Covid diagnosis

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54496678

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