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2020年10月13日

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東欧ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(66)の退陣を求める大規模な抗議行動は11日、9週目に突入した。政府高官によると、警察には必要であれば殺傷能力のある武器を使用する権限が与えられたという。

内務省報道官は「市民が攻撃性を示し始めた」ため、「警官や兵士は必要に応じて、特別な装備や殺傷能力のある武器を使用することになる」と発表した。

反政府派は11日のデモについて、警察が参加者に対して大統領選後で最も残忍な戦術を使ったとしている。機動隊が放水砲や閃光弾を使ってデモをやめさせようとしたり、警棒で多数の参加者を殴ったという。

この日のデモで、700人以上が逮捕されたとベラルーシ内務省は明らかにした。

こうした中、欧州連合(EU)加盟国外相はルカシェンコ氏に対して制裁を科す用意があるとしている。

8月9日の大統領選では、1994年から実権を握ってきたルカシェンコ大統領が6期目当選を決めたが、不正があったとの批判が上がっている。

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「市民が攻撃性を見せ始めた」

ベラルーシ内務省は12日、首都ミンスクで行われた無許可の抗議デモで、警察が閃光弾や催涙ガスを使用したことを認めた。このデモには年金受給資格を持つ高齢者が多数参加していた。

同省報道官は「市民が攻撃性を示し始めた」ため、措置を講じたと述べた。

ゲンナジー・カザケヴィチ第一内務次官は11日のミンスクでの抗議デモについて、「次第に組織化され、極めて過激になった」と述べる一方、現在ではミンスクに集中していてそれほど広範に行われてはいないと付け加えた。

また、抗議者たちが11日午後に石や瓶を投げ、刃物を振り回していたが、夕暮れまでにはバリケードを築いてタイヤに火をつけ始めたとした。

カザケヴィチ氏はビデオ声明で、「これは市民の抗議とは無関係なことだ。我々は攻撃だけでなく、過激派や急進派、無政府主義者などの集団、そしてサッカーのフーリガンと対峙(たいじ)している」と述べた。

「内務省を代表し、伝えておく。我々は街中から撤退せず、この国の法を守ると。法執行官や兵士たちは必要に応じて、特別な装備や殺傷能力のある武器を使用することになる」

8月9日に投開票が行われた大統領選をめぐっては、選挙管理委員会はルカシェンコ氏が80%以上の得票率で6選を果たしたとしている。しかし、この選挙では不正があったと広く受け止められており、退陣を求める抗議デモが各地に広がっている。

2カ月以上続く抗議デモでは、事態を鎮圧しようとするベラルーシ当局が多数の参加者や野党派活動家を残忍なやり方で取り締まり、拷問しているとして非難されてきた。

抗議者たちは政治犯の解放や、自由で公正な選挙のやり直しを求めている。

ルカシェンコ氏への制裁で合意

EUは12日、ルクセンブルクで開いた外相理事会で、ルカシェンコ氏を制裁対象に追加する方向で一致した。

ベラルーシをめぐっては、EUは2日に不正選挙や抗議デモ参加者の投獄などに関与したベラルーシ当局者40人に対する制裁を発動したが、ルカシェンコ氏は含まれていなかった。

EU外相は、ルカシェンコ氏がこの危機的状況を打開する手段としての選挙のやり直しを拒否したことで、EUにはほかに選択肢はないとしている。

「これが、悪化するベラルーシの状況に対する答えだ」と、EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は記者団に述べた。「ベラルーシ当局には、対話参加の兆しがまる見られない」。

EUやイギリス、アメリカはルカシェンコ氏の続投を承認していない。

ルカシェンコ氏は選挙での不正を否定しており、緊密な同盟関係にあるロシアのウラジーミル・プーチン大統領の後ろ盾を得ている。

プーチン氏は抗議デモが「制御不能」に陥った場合、ルカシェンコ氏を支援するためにロシア警察を派遣する用意があるとしている。

(英語記事 Belarus police authorised to use lethal weapons

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54506058

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