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2020年10月13日

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ソーシャルメディア最大手米フェイスブックは12日、第2次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を否定する投稿を初めて禁止した。同社は新規則によって、「ホロコーストを否定したり歪曲(わいきょく)したりする内容」を禁止すると発表した。

創設者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は同日、こうした投稿の禁止と表現の自由の間で苦慮したものの、「これが正しいバランス」だと判断したと明らかにした。

ザッカーバーグ氏は2年前に、「事実を間違った」からといってそうした投稿を自動的に削除すべきではないと発言。「僕はユダヤ人で、ホロコーストを否定する人たちのがいるのは、本当にとんでもないことだと思う。けれども、人が間違うことはいろいろあるので、うちがプラットフォームとして削除すべきだとは思わない。わざと間違えているのだとは思わないので」と述べ、幅広い層から批判された。

しかし、ザッカーバーグ氏は12日にフェイスブックに投稿した中で、「反ユダヤ暴力が増加していると示すデータを見て、自分の考え方が進化した。スピーチ(憎悪発言)全般への我々の方針も、同様に進化した」と方針転換を説明した。

「容認できる発言とできない発言の間に、正しく線引きするのは簡単なことではない。けれども世界の現状からして、これが正しいバランスだと思う」と、ザッカーバーグ氏は書いた。

フェイスブックは今年に入り、反ユダヤ人の偏見を含めヘイトスピーチの投稿を禁止した。しかし、ホロコースト否定はまだ否定されていなかった。

フェイスブックのコンテンツ・ポリシー担当、モニカ・ビッカート副社長は、「世界中で反ユダヤ主義が増加しているという複数の報告や、ホロコーストに対する心配なほどの知識不足が特に若者の間で広まっていること」などから、今回の対応に踏み切ったと説明した。

年内にはフェイスブック上でホロコーストやその否定について検索した場合、「信用できる」情報が表示されるようになるという。

ただし、自動化システムやスタッフの訓練には時間がかかるため、新施策がたちまちに実施されるわけではないと述べた。

この件についてフェイスブックと協議していた世界ユダヤ人会議は、今回の決定を歓迎した。

「ホロコーストを否定したり、大したことではないと矮小化(わいしょうか)したり、ささいなこと扱いする行為は、ユダヤ人やその他の少数者について憎悪やニセの陰謀論を広める手段に使われている」と、同団体は声明を発表した。

ただし、フェイスブックからホロコースト否定論を削除するよう、「数年前から」活動していたことにも触れた。

名誉毀損防止連盟(ADL)のジョナサン・グリーンブラット代表はツイッターで、「これは何年も前からの努力の成果だ」と指摘。「自分自身がフェイスブックとやりとりした経験から、今回のホロコースト否定禁止は大きな成果だと言える(中略)ついに実現して良かった」と書いた。

(英語記事 Facebook bans Holocaust denial content

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54519370

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