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2020年10月15日

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タイ政府は15日、首都バンコクで続く反政府デモに対抗する緊急命令を発し、4人を超える集会を禁じるなどした。その後まもなく、機動隊がデモ参加者らの排除に乗り出した。

警察当局は国営テレビで命令を発表。「多くの集団がバンコクで違法な公の集会を呼びかけ、誘発し、実行している」、「(デモ参加者らは)混乱と政情不安を扇動した」などとした。

また、「平和と秩序を保つ」ため緊急措置が必要だと述べた。

緊急措置は現地時間15日午前4時(日本時間同6時)に実施された。まもなく、機動隊が首相府周辺からデモ参加者らを排除した。数百人の警官らが出動している。

ロイター通信によると、参加者の一部はバリケードを作って抵抗を試みたが、機動隊に破られた。

弁護士の人権団体は、デモ指導者3人が逮捕されたと述べた。警察当局は逮捕に関してコメントを出していない。

最近の動き

学生らが主導して7月に始まったデモは、国王の権限の制限やプラユット・チャンオチャ首相の辞任を求めている。参加者は増え続けており、長年タイを支配してきた層にとっては困難な事態となっている。

先週土曜日(10日)のバンコクでのデモには、当局の発表で1万8000人が参加。近年で最大規模となった。多くの参加者が翌日もそのままとどまり、当局に排除された。


14日には、デモ参加者らは首相府近くに集まり、マハ・ワチラロンコン国王の車列に向かって抗議を表明。警官隊に押し戻されながら、デモのシンボルとなった3本指を立てるサインを見せた。

タイでは王室改革はデリケートな問題だ。王室に対する批判は、長期間刑務所に収監される刑罰の対象となっている。

緊急命令の内容

緊急命令は、集会を4人までとしたほか、メディアを規制。「恐怖を生み出したり、意図的に情報をゆがめて国の安全や平和、秩序に影響を及ぼす誤解を招いたりするようなニュースやオンライン情報などの公表」を禁止した。

ロイター通信によると、当局が「指定するいかなる場所」からも、人々を排除できることも認めているという。

反政府デモの背景

タイでは政情不安や抗議行動は珍しくないが、裁判所が結成まもない民主派の野党政党・新未来党(FFP)の解散を命じたことを受け、今年2月に新たな運動が始まった。

新未来党は特に若者の支持を集めており、2019年3月の議会選挙では3番目に得票が多い政党となった。この選挙では政権を握っていた軍事政権が勝利した。


反政府デモは、6月に著名な民主活動家ワンチャラーム・サタシット氏がカンボジアで行方不明になったことで再燃した。同氏は2014年の軍事クーデター以降、カンボジアに逃れていた。

デモ参加者らは、タイ政府がサタシット氏の拉致を計画したと批判。一方、政府や警察はこれを否定している。7月以降、学生を主体としたデモが続いている。

参加者らは、軍事クーデターで権力を掌握したプラユット政権の退陣や、憲法の改正、政府に批判的な人への弾圧の中止を求めている。

(英語記事 Thai PM declares emergency decree over protests

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54549965

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