BBC News

2020年10月26日

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米ホワイトハウスは24日、マイク・ペンス副大統領の側近が新型コロナウイルスに感染したと発表した。ペンス氏は濃厚接触者に該当するものの隔離はせず、11月3日の米大統領選にむけた活動を継続している。

ペンス副大統領は25日夜、予定通りノースカロライナ州キンストンで選挙集会を行った。

ペンス氏の周辺では、マーク・ショート副大統領首席補佐官の感染が24日に明らかになった。副大統領夫妻は25日、ウイルス検査で陰性と判定されたという。

アメリカで多数の新型ウイルス感染者が出ている中、COVID-19(新型ウイルスの感染症)問題が選挙戦で焦点となっている。

期日前投票ではすでに、約5900万人という記録的な人数が投票を終えるなど、新型ウイルスのパンデミックが大きく影響している。

大統領選でドナルド・トランプ大統領と争う民主党候補のジョー・バイデン前副大統領の支持率は、全国的な世論調査で平均して8ポイントリードしている。ただ、勝敗を左右する複数の激戦州では拮抗(きっこう)している。

ペンス副大統領に何が

デヴィン・オマリー副大統領報道官は声明で、ホワイトハウスの新型コロナウイルス・タスクフォースを率いるペンス氏と妻カレン氏の「健康状態は良好」なままだとした。

「ペンス副大統領はショート副大統領首席補佐官の濃厚接触者だと考えられるが、ホワイトハウスの医療ユニットとの相談の上、副大統領はCDC(米疾病対策センター)の必要不可欠な職務にあたる人に関するガイドラインに従って仕事を継続する」

CDCのガイドラインの措置には、症状がないか定期的に観察することや、マスクの着用などが含まれる。ガイドラインは、COVID-19(新型ウイルスの感染症)発症者と濃厚接触した人について、14日間の自主隔離をすべきだともしている。

マーク・メドウズ大統領首席補佐官は25日、米CNNに対し、ペンス氏は副大統領としての「必要不可欠」な職務を継続すると述べた。ただ、ペンス氏の選挙活動が「必要不可欠」な職務に分類される理由は説明しなかった。

ペンス氏は24日にフロリダでの選挙活動を終えてワシントンに戻った際や、ショート氏の感染が公になった後に、マスクを着用しているところが目撃されていたとAP通信は報じている。

民主党の副大統領候補カマラ・ハリス上院議員は15日、陣営関係者ら2人の陽性判定を受け、地方遊説の中断を発表した。陣営側は、ハリス氏は濃厚接触者ではなく、予防的判断だとした。

こうした中、ペンス氏の上級顧問を務めるマーティ・オブスト氏や、少なくともほかの関係者2人の陽性も判明したと複数メディアが報じている。ホワイトハウスでは今月初めにトランプ大統領が感染し、治療のため一時入院。それから約3週間後に複数の感染が確認されており、政権のCOVID-19対策に疑問が浮上している。

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選挙戦で何が

トランプ大統領は25日、ニューハンプシャー州で支持者を前に演説。感染者や入院患者が増えているにもかかわらず、アメリカは新型ウイルスのパンデミックを脱しつつあると繰り返し主張した。

「我々は回復しつつある。(パンデミックを)脱しつつある。我々にはワクチンだってなんだってある。ワクチンがなくても脱しつつある」と、トランプ氏は支持者に語りかけた。支持者の多くはマスクを着用しておらず、社会的距離を保っていなかった。

現時点で臨床試験が完了したワクチンは存在しない。

トランプ氏は25日、ノースカロライナ、オハイオ、ウィスコンシンの3州で遊説を行った。翌26日にはペンシルヴェニア州で2度の集会を開いた後、27日のミシガン州、ウィスコンシン州、ネブラスカ州での集会へむかう予定。

一方でバイデン氏は同日、デラウェア州の自宅近くの教会へ出かけた。その後、バーチャル・イベントに参加し、投票を呼びかけた。

バイデン氏は24日のペンシルヴェニア州ブリストルでのイベントで、トランプ大統領の政策によって、多数のアメリカ人がCOVID-19で死亡したと主張。「我々のやり方を変えない限り、暗い冬がやって来る」と付け加えた。

ハリス氏はミシガン州デトロイトで25日、ペンス氏が地方遊説を中断しなかったことを批判。感染拡大防止の「ガイドラインに従うべき」だとした。

ワクチンの見通しは

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士はCOVID-19ワクチンについて、「安全で効果的」であることが証明されれば、年末までに米国内で提供できる可能性があるとしつつ、医療従事者らが優先的に接種することになるとBBCに述べた。

また、ワクチンをより幅広く提供できるようになるには、来年に入ってから数カ月はかかるだろうとした。

メドウズ大統領首席補佐官はCNNのインタビューで、トランプ氏の選挙陣営が集会参加者にマスク着用を義務付けていない理由を問われると、参加者にマスクは提供しているが、「我々は自由社会で暮らしている」と答えた。

「我々はパンデミックを制御するつもりはない。ワクチンや治療法、そのほかのリスク緩和方法を得るという事実を制御するつもりだ」と、メドウズ氏は付け加えた。

メドウズ氏のインタビューを受け、バイデン氏は声明で、ホワイトハウスが「敗北の白旗」を振ったと述べた。

(英語記事 Pence stays campaigning despite aide's Covid

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54687137

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