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2020年11月4日

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オーストリアの首都ウィーン中心部の6カ所で銃撃があり、少なくとも4人が死亡した事件で、警察は3日、18カ所で家宅捜索を行い14人を逮捕した。

オーストリアのカール・ネハンマー内相は、銃撃犯と関係があるとみられる14人を逮捕したと発表した。多くは銃撃犯の自宅近くで逮捕された。ウィーン西部ザンクト・ペルテンとリンツでは容疑者2人が逮捕された。

チューリッヒ近郊ヴィンタートゥールでは、銃撃犯と関係があるとみられる18歳と24歳のスイス人の男性2人が逮捕された。

ネハンマー内相は逮捕に先立ち、事件後に警官に射殺された実行犯はクイティム・フェイズライ容疑者(20)で、イスラム教主義者のテロリストだと説明。武装勢力「イスラム国(IS)」に参加しようとシリア渡航を企てたとして収監され、昨年12月に仮釈放されていたという。

同容疑者は北マケドニア出身で、オーストリアと二重国籍だった。

警察は同容疑者の自宅を家宅捜索し、ビデオ資料を押収した。同容疑者は事件当時、重装備で、偽の爆発物ベルトを身につけていたという。

ネハンマー氏によると、事件でこの容疑者は短く改造したカラシニコフ銃を使ったが、なた1本と拳銃1丁も所持していた。

ドイツ人も犠牲に

ウィーン市内では警備が強化され、警察はさらなる襲撃犯の捜索を開始した。しかし当局では、射殺された実行犯が単独で犯行に及んだとの見方が強まっている。

オーストリアのセバスティアン・クルツ首相は、死亡した4人について、高齢の男女2人、通行人の若い男性1人、目撃者1人だと明かした。このほか22人が負傷した。

死亡した女性の1人はドイツ人で、ドイツのハイコ・マース外相は襲撃を非難するツイートを投稿した。

オーストリアのネハンマー内相は、ほかに襲撃犯がいる可能性を排除していない。複数の銃撃犯がいたとの目撃証言もある。警察は現在も携帯で撮影された動画約2万本の確認を続けている。

「動画の50%以上はすでに確認したが、調査はまだ終わっていない。また同時に、これらの動画はほかに犯人がいなかったことを示している」と、ネハンマー氏は記者団に述べた。

ISは3日、オンライン上に犯行声明を出した。

「民主主義に対するヘイト」が原因

銃撃は2日午後8時、歩行者専用道路にあるユダヤ教の礼拝堂(シナゴーグ)の向かいで始まった。実行犯は午後8時9分に射殺された。

警察はこのエリアの計6カ所で銃撃があったと確認した。目撃者は実行犯がバーの外にいた人々に発砲し、店内へ追いかけていったと証言した。

クルツ首相は、「我々の生き方、我々の民主主義に対するヘイト(憎悪)が原因だ」と述べた。

3日にはウィーンの聖シュテファン大聖堂で犠牲者を追悼する特別礼拝が行われ、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の指導者や、クルツ首相を含む複数の政治家が出席した。

オーストリアは3日間の喪に服しており、半旗が掲げられている。ウィーンの子どもたちは安全のため3日は自宅にとどまった。翌4日には学校で1分間の黙とうが行われる。

イギリスは現在、テロ警戒レベルを「深刻(severe)」から「重大(substantial)」に引き下げている。


トルコ系男性が負傷した警官を救護

銃撃犯に撃たれて負傷した警官1人が、トルコ系の男性2人に安全な場所まで運ばれていたことも明らかになった。

「私は警官の足をつかんで、もう1人が肩をつかんだ。現場にはほかの警官もいて助けてくれて、負傷した警官を急いで救急車に乗せた」と、パーソナル・トレーナー兼総合格闘家のミカイル・オゼン氏は述べた。

ネハンマー内相は男性たちを称賛し、「彼ら(移民)が我々の社会を暴力や恐怖で分断すると思うのであれば、団結することが重要だ。これまで以上に」と述べた。

(英語記事 Arrests after 'freed jihadist' kills four in Vienna

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54791644

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