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2020年11月6日

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米大統領選は、接戦状況で終盤の開票が進む中、共和党候補のドナルド・トランプ氏が訴訟を連発し、選挙の結果を法廷で争おうと試みている。ただ、同氏に有利な展開にはほとんどなっていない。投票日から2日たった5日時点での裁判の動きをまとめた。

トランプ陣営はこれまで、得票状況が自陣に不利と思われる州で、開票作業の中止を意図して提訴を重ねている。投票や集計などで不正があったと主張しているが、信用できる根拠は示していない。反対に、自陣に有利な結果となるかもしれない州については、集計の停止は求めていない。

一方、民主党候補のジョー・バイデン氏は、全ての票を集計する必要があるとしている。

トランプ氏は5日午後のホワイトハウスの記者会見で、「我々の目標は選挙の正当性を守ることだ。重要な選挙を盗もうとする不正は許さない」、「最終的には裁判官らが判断する」と述べた。

また同日、ツイッターに「バイデンが最近獲得したという州は全て、投票不正と選挙不正について、法的に争う。証拠はたっぷりある。メディアを調べてみろ。我々は勝つ! アメリカ・ファーストだ!」と投稿した。ツイッター社はこのツイートを含め、トランプ氏の複数のツイートに「このツイートで共有されているコンテンツの一部またはすべてに異議が唱えられており、選挙や他の市民行事への参加方法について誤解を招いている可能性があります」と警告を表示している。

投開票日以降にも開票が続くのは普通のことで、現在集計の対象になっているのは合法的な郵便投票。投票所での投票より後に開票されているのは、一部の州で通常の手続き。

トランプ氏は数カ月前から郵便投票は不正につながると主張し、支持者に投票所へ行くよう呼びかけていた。このため、郵便投票の多くは、パンデミック対策を重視するバイデン氏支持者のものになると、以前から予想されていた。ニューヨーク大学のブレナン正義研究所による2017年調査では、アメリカで起きる不正投票の割合は0.00004%から0.0009%だという。

トランプ陣営が法廷闘争を繰り広げているのは、下の通り。他の州でも裁判を起こす意向を、トランプ氏は表明している。

これまでのところ、陣営が望むような判断はほとんど出ていない。裁判所の決定を巡っては陣営が不服として上訴し、法的な争いが長引く可能性もある。

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ミシガン州

トランプ陣営はミシガン州で、開票作業を見届ける「意味あるアクセス」が認められなかったとして、開票作業の打ち切りを求めて提訴した。

これに対し、州裁判所は5日、訴えを却下した。

同州デトロイトの開票所では、開票作業の中止を求める多くの人たちが建物の外に集まって抗議し、警察が警備に当たった。

前回大統領選でトランプ氏が僅差で勝利した同州は、今回はバイデン氏が勝利する見込みだと米メディアやBBCは報じている。

ペンシルヴェニア州

トランプ陣営はペンシルヴェニア州で5日、共和党関係者が開票作業に近距離から立ち会うのを民主党関係者に妨害されたとして、開票作業の停止を求めて連邦地裁に裁判を起こした。トランプ陣営はこれに先立ち、近距離での立会いを認める命令を州裁判所から得ていた。

米メディアによると、同州フィラデルフィアにある連邦地裁のポール・ダイアモンド裁判官は同日、緊急の公判を開いた。トランプ、バイデン両陣営の弁論を聞いた上で、双方60人ずつの立会人が開票所内に入ることを認めるとともに、トランプ陣営の訴えを棄却した。

共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領の指名で現職に就いたダイアモンド裁判官は、「まったく、ここにいる人たちは責任ある大人になって、合意することはできないのか?」、「司法の介入なしでなぜ合意できないのか、まったく理解できない」と不快感を示した。

同州に関しては、トランプ氏が4日、100万票以上が未開票の段階で勝利を宣言している。米主要メディアはまだ、同州の勝者を予想していない。

ジョージア州

ジョージア州でもトランプ陣営は、開票作業の停止を求めて州裁判所に提訴した。同州チャタム郡での開票作業で、不在者投票53票が不法に票の山に加えられたのを、同党の開票立会人1人が見たと主張している。

トランプ陣営は、投票が締め切られた3日以後に届いた同郡の票を無効とするよう、裁判所に求めた。

米メディアによると、州裁判所は全ての票が期限内に届いていたとする選管当局の証言を聞いた上で、トランプ陣営の訴えを棄却した。

同州の勝者もまだ予想されていない。

ネヴァダ州

接戦が続くネヴァダ州でも、トランプ陣営は裁判を起こした。

米ABCによると、主張のいくつかは、集計の中止要求など、他の州の裁判で認められなかったものと同じだという。

訴状では、根拠を示すことなく、「クラーク郡の選挙では、郵便投票の認証作業における手抜きや、3000件以上の無資格の個人による投票など、不法行為が多数あった」としている。

バイデン氏が得票数でリードしている同州では、トランプ支持者らはこれまで、未開票の票が逆転を呼ぶことを期待し、開票作業を続けるよう求めていた。

ウィスコンシン再集計は

トランプ陣営はウィスコンシン州で票の再集計を求めたと報じられているが、同州の選管責任者メガン・ウルフ氏は5日、そうした要求は受けていないと述べた。

トランプ陣営はこれまで、同州の開票作業で不法行為が見られたとして、再集計を正式に求めると表明している。

ウルフ氏は、「郡が認証した開票結果を得るまでは(再集計の)要求はできない」、「今はその要求をするのに適切な時ではない」とした。

バイデン陣営は

一方、バイデン氏は当初から、全ての票を集計するよう主張し続けている。5日午後の演説でも、「アメリカでは投票は神聖だ」、「この国の人々が意思を表明する方法だ」と述べ、開票作業の完遂を改めて求めた。

AP通信によると、バイデン陣営のボブ・バウアー弁護士は同日、トランプ陣営の訴訟について、「常に不規則な事態や制度の機能不全、不正があったと、根拠を示すことなく主張している」と非難。

バウアー弁護士は、中身に価値のない訴訟ばかりで、政治的な動きに過ぎないとした。

(英語記事 Election Live Page

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54836422

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