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2020年11月9日

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米大統領選でジョー・バイデン氏が選挙人270人以上を確保し、ドナルド・トランプ氏を破ることが確実となった。今後、何があるのか?

次期大統領のバイデン前副大統領は、すぐにホワイトハウスに家具を運び入れるわけではない。その前に必要な展開がいくつかある。

たいていはスムーズに行くが、今回は選挙に絡んで裁判が起こされていることから、通常より面倒なことになる様子だ。

バイデン氏はいつ大統領になる?

アメリカの憲法は、1月20日正午に新たな大統領の任期が始まると定めている。

この日、首都ワシントンで就任式が開かれる。新大統領と新副大統領が、連邦最高裁長官を前に就任宣誓をする。

ということで、バイデン氏が大統領に、カマラ・ハリス氏が副大統領に就任するのは、来年の1月20日になる。

この日程には例外がある。大統領が任期途中で死去したり辞任したりした場合は、直ちに副大統領が大統領に就任する。

政権移行とは何なのか?

大統領選の結果が出た時から、新たな大統領の任期が始まる1月20日までの期間のこと。

新大統領は政権移行チームと呼ばれるグループを発足させ、就任式が終わるとすぐに大統領の職務に当たれるように準備を進める。バイデン氏のチームはすでに、政権移行のウェブサイトを開設している。

このチームは、政権の閣僚を選び、政策の優先順位を協議し、国を治める準備をする。

チームのメンバーは連邦の各機関から、期限の迫っている問題や、予算、誰が何を担当しているのかなどの説明を受ける。

メンバーは新政権スタッフのために情報収集をするが、政権発足後もサポートを続ける。そのまま政権スタッフとなる人もいる。

2016年には、当時のバラク・オバマ大統領が次期大統領のトランプ氏とホワイトハウスの執務室で会談した。そのときの写真からは、両者の空気が決して温かいものではなかった(その状況は続いている)ことがうかがえる。

バイデン氏は数カ月前に政権移行チームを作り始め、必要な資金を集めた。そして先週、政権移行のウェブサイトを開設した。

これからよく聞くことになる単語は

次期大統領:大統領選に勝利し、1月20日の宣誓就任を前にしている人

閣僚:政府の最高レベルのチームのメンバー。主要省庁や連邦機関のトップらを含む。バイデン氏は近く、閣僚を発表し始める

承認公聴会:大統領が指名する政府の役職の多くは、上院の承認が必要だ。バイデン氏が選ぶ人たちも、上院委員会の公聴会で質問を受ける。その後に承認か否認かが採決される

CELTIC次期大統領となったバイデン氏の警備態勢は強化される。警護に当たるシークレットサービスが使うバイデン氏のコードネーム(暗号名)は、「CELTIC」。アイルランド系だからではないかとみられる。コードネームは警護される側が決めることができる。トランプ氏は「MOGUL(富豪)」、ハリス氏は「PIONEER(パイオニア)」だと言われている。オバマ氏は「RENEGADE(反逆者、異端者)」、ミシェル夫人は「RENAISSANCE(ルネッサンス)だったという。

法廷闘争はある?

ほぼ必至だ。トランプ氏は、「バイデン氏が獲得したとされる直近の複数の州」で不正があったと、証拠は示さずに主張。開票結果について争うとしている。

また、トランプ陣営は現在、法廷闘争を率いる一流の弁護士たちをヘッドハンティング中だと報じられている。

郵便投票の一部を無効にしようという試みは、州の裁判所で始められるが、連邦最高裁に行き着く可能性もある。ただ、法律の専門家は、訴訟で結果が変わることは考えにくいとしている。

トランプ陣営は再集計も要求しており、いくつかの州で実施される見込み。しかし、結果を変えることにはならないとみられている。

トランプ氏が敗北を認めなかったら?――アンソニー・ザーカー北米担当記者

トランプ氏は以前から、開票結果を争うと表明していた。それがうまくいかなければ、敗北宣言を求める圧力がのしかかることになる。しかし、トランプ氏が敗北を認める必要はあるのだろうか。

敗北した候補者が勝者に電話で敗北を伝えるのは、アメリカ政治で尊重されてきた伝統だ。しかし、決して義務ではない。

例えば2018年のジョージア州知事選では、民主党候補ステイシー・エイブラムス氏が、選挙で不正や脅迫行為があったと主張。共和党の対立候補ブライアン・ケンプ氏に対し、決して敗北を認めなかった。

ただ、そうしたことが現代の大統領選で起きたことは1度もなかった。しかし、ジョージア州知事選と同様、選挙結果が合法的な経緯で確定する限り、トランプ氏がどう振る舞おうと政治機構は動き出す。

トランプ氏が敗北を認める必要はないし、そのまま平気な顔をしてバイデン氏の就任式に出席することもできる。だが、いくつかの法的義務は生じる。自らの政権スタッフに対し、バイデン政権チームの引き継ぎに備えて準備するよう、許可しなくてはならない。トランプ氏はすでにその許可を出したと、政権関係者は言う。

トランプ氏は、長年の規範や伝統を壊すことを恐れない型破りな候補として、大統領に上り詰めた。本人の意向によっては、同じように型破りなままホワイトハウスを去ることもできる。

ハリス氏は政権移行で何をする?

女性として初の副大統領になるハリス氏は、自らのスタッフを指名し、現政権から職務についてより詳しく学ぶことになる。

副大統領はホワイトハウスの執務棟ウエストウイングで仕事をするが、そこに住むわけではない。副大統領公邸は、首都ワシントン北西部に位置し、ホワイトハウスから車で10分ほどの米海軍天文台の敷地内にある。副大統領はここに住むのが慣例だ。

ハリス氏の夫ダグ・エムホフ氏は弁護士で、エンターテインメント業界で働いている。

エムホフ氏は前妻との間に2人の子ども(コールさん、エラさん)がいる。2人はハリス氏のことを愛情を込めて「ママラ」と呼んでいると、ハリス氏は話している。

ホワイトハウスへの引越しはどんな感じ?

まだ建造が終わっていなかった1800年に、最初の大統領夫妻ジョン・アダムズ氏とアビゲイル・アダムズ氏が引っ越した時よりは、現在はましになっている。

近年は、新たな大統領とその家族が、傷んだ家具を取り替えるのが通例となっている。議会はその予算を確保している。

ホワイトハウスだけで、132の部屋と35のバスルームがある。

ファッション業界で働いていた大統領夫人のメラニア・トランプ氏は、居住部分の改修や、クリスマスの飾り付けを公開するイベントを主導した。

(英語記事 What happens now?

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54868417

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