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2020年11月14日

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アメリカでジョー・バイデン政権が誕生すれば、ホワイトハウスに1つの伝統が復活する。ペットとの同居だ。

ドナルド・トランプ大統領はペットを飼っていない。大統領としては、ここ100年ほどで初めてだった。

一方、民主党のバイデン次期大統領は、来年1月の就任式を終えると、2匹のジャーマンシェパード(チャンプ、メイジャー)と一緒にホワイトハウスに移り住む予定だ。

この2匹は、ソーシャルメディアに多数のファンを抱えている。2匹のツイッターアカウントには、何万人ものフォロワーがいる。

新しい「ファーストドッグス」はどんな犬なのか。先代にはどんな犬がいたのか。以下に紹介しよう。

チャンプとメイジャー

バイデン氏が子犬だった「チャンプ」と暮らし始めたのは、2008年にバラク・オバマ政権の副大統領になると決まった後だった。

米政治メディア・ポリティコによると、妻のジルさんは、同年の大統領選が終わったら犬を選ぼうと、夫と約束していた。選挙戦で全国遊説中には、陣営チャーター機のバイデン氏の座席の前に、様々な犬の写真を貼り付けていたという。

「チャンプ」という名前はバイデン氏の孫たちがつけたものだが、感傷的な意味も込められた。

2008年大統領選の演説でバイデン氏は、「たたきのめされたら起き上がれ、チャンプ!」と父親によく言われたものだと繰り返していた。

一方、「メイジャー」は2018年にデラウェア州の動物保護団体を通して、バイデン家に引き取られた。

https://www.instagram.com/p/CEXsrxxBMEn/?utm_source=ig_embed


今回の大統領選の選挙運動中、バイデン氏はインスタグラムにメイジャーの動画をシェア。言葉の意味や発音を掛けながら、「Major(大規模、メイジャー)なやる気があれば、trail(選挙遊説、追跡)でruff(ラフ、フサフサの首毛、犬の鳴き声にも似ている。同音のrough=きつい、厳しいにかけている)な日なんかない」とキャプションを添えた。

ボウとサニー

ポーチュギーズ・ウオーター・ドッグのボウとサニーは、バラク・オバマ大統領時代(2009~2017年)のホワイトハウスに住んでいた。

オバマ氏は大統領選での勝利を宣言した時、娘2人に「みんなと一緒に、新しい子犬もホワイトハウスに行く。2人ががんばったから」と伝えたという。

ボウは2009年、テッド・ケネディ上院議員(当時)が、オバマ氏の娘たちに贈った。サニーは2013年8月に家族に加わった。

胸と前足が白いボウと、全身が黒いサニーは、どちらも人気者となり、公務を手伝うこともあった。

「みんな2匹と会って写真を撮りたがるんです」とミシェル・オバマさんは、夫が大統領だった時に話していた。

「月の初めになると2匹のスケジュール調整を求めるメモが届き、私が出番を承認することになっています」

バディとソックス

ビル・クリントン大統領(任期1993~2001年)は、バディという名のチョコレート色のラブラドールと、ソックスと名づけた猫を飼っていた。

2匹はよくけんかし、米紙ニューヨーク・タイムズは冗談交じりに「天敵同士」と呼んだ。

クリントン氏は2000年、妻が不在の時には、バディが隣で寝ると記者団に話した。

「本当の友人なんだ」と、クリントン氏は話していた。

ヒラリー・クリントン大統領夫人は2匹について、「親愛なるソックス、親愛なるバディ」という本まで書いた。同書には、子どもたちからの手紙が収められ、2匹のライバル関係や習慣が詳しく紹介されている。

ミス・ビーズリーとバーニー

ジョージ・W・ブッシュ大統領(任期2001~2009年)は何匹かのペットを飼ったが、その中にはミス・ビーズリー、バーニーという名の2匹のスコティッシュ・テリアがいた。

2匹はホワイトハウスが公表したビデオ(「A Very Beazley Christmas」、「Barney Cam」など)に登場した。

ブッシュ氏はミス・ビーズリーがいるだけでうれしくなる、「喜びの源」だと表現。バーニーと自分は、自然への愛を共有していると述べた。

ユキ

リンドン・B・ジョンソン大統領(任期1961~1969年)の愛犬は、ユキという名のテリアのミックス犬だった。

ホワイトハウスで暮らしたペットに関する情報を集めている「大統領ペット博物館」のウェブサイトによると、ユキはジョンソン氏の娘ルーシーさんが1966年の感謝祭の日に、地元テキサス州のガソリンスタンドで見つけた。

ルーシーさんはその犬を翌年、ジョンソン氏に誕生日プレゼントとして贈った。

ジョンソン氏とユキは、閣議への出席から水泳まで、何でも一緒にした。

ジョンソン氏の孫はかつて、「(ジョンソン氏とユキは)アメリカの精神を体現する、とても大切な絆を分かち合っていました。アメリカだからこそ、ジョンソンシティー出身の貧しい少年がホワイトハウスまでたどり着けたので」と話していた。

ファラ

ホワイトハウスの最も有名な犬の1匹が、フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領(任期1933~1945年)が愛したスコティッシュ・テリアのファラだ。

ファラは1940年、ルーズヴェルト氏のいとこから同氏に贈られた。スコットランドの血統にちなんで、同氏は「Murray the Outlaw of Falahill(ファラヒルの無法者マリー)」と名づけた。

フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領図書館・博物館によると、大統領の朝食のトレーには毎朝、ファラの骨がのせられていた。また、ファラにはファンレターに返事をする秘書もつけられていたという。

大統領はファラの誕生日に、特製ケーキ(下写真)を作らせた。

1942年の大統領選の選挙運動では、ファラは戦時下で進められていたゴムくずの供出を推進しようと、おもちゃを寄付した。

ファラは映画にもなった。さらに、首都ワシントンのフランクリン・デラノ・ルーズヴェルト記念公園には、ルーズヴェルト氏の像の隣にファラの像も作られた。

マカロニ

「ファーストペット」の名誉ある称号が与えられてきたのは、犬と猫だけではない。鳥、ハムスター、そしてポニーもいた。

マカロニは、ジョン・F・ケネディ大統領(任期1961~1963年)の娘キャロラインさんが、リンドン・B・ジョンソン氏から贈られた。

このポニーは普段、ヴァージニア州で飼われていたが、たびたびホワイトハウスに連れて来られた。敷地内を歩き回っていた様子が、写真に記録されている。

大統領ペット博物館によると、ジャッキー・ケネディ大統領夫人がホワイトハウスでイランのファラ・パーレビ王妃を案内していた時、マカロニが鼻を王妃にこすりつけたという。彼女が持っていたラッパズイセンを食べようとしたとみられる。

他の大統領のペットと同様、マカロニも人気を博した。ファンレターが届き、写真誌ライフの表紙にも登場した。

(英語記事 Biden win sees 'First Dogs' return to White House

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54934323

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