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2020年11月15日

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米大統領選挙の全米の大勢が判明し、野党・民主党のジョー・バイデン氏の当選が確実となったが、ドナルド・トランプ大統領は選挙で不正行為があったと主張し、敗北を宣言していない。こうした中ワシントンでは14日、トランプ氏の支持者が多数、デモ行進に参加した。

トランプ氏支持者たちは14日正午ごろ、ホワイトハウスの東に位置するフリーダム・プラザ近くでデモを開始。最高裁判所を目指した。

星条旗を手にしたデモ隊には白人至上主義団体「プラウド・ボーイズ」や、「オウス・キーパーズ」(誓いを守る人々の意)を含む複数の極右グループメンバーが加わった。ヘルメットや防弾チョッキを身につけている人もいた。

また、陰謀論者のアレックス・ジョーンズ氏が群衆に向けて演説した。

ワシントン郊外の自分のゴルフ場へ向かうトランプ氏の車列が行進の中を通過すると、支持者たちは車列を取り囲み歓声を上げた。

支持者たちは今回のデモを、トランプ氏のスローガン「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」の略語「MAGA」を冠した「Million MAGA March」(100万人のMAGA行進) や、「March for Trump」(トランプのための行進)、「Stop the Steal DC」(米政権を盗むのを止めろ)など様々な名称で呼んでいる。

11月3日に投票が行われた大統領選挙では、13日夜(日本時間14日未明)に全50州の大勢が判明した。バイデン次期大統領は西部アリゾナ州や南部ジョージア州でも勝つ見通しで、獲得する選挙人は計306人となる見込み。当選には270人以上が必要。

民主党の大統領候補がアリゾナ州やジョージア州で勝つのは1990年代以来。

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トランプ氏は選挙で広範囲に及ぶ不正行為があったと根拠のない主張をし、選挙の勝敗を左右する複数の重要州で訴訟を連発。選挙の結果を法廷で争おうと試みているものの、裁判所が訴えを棄却したり、トランプ陣営側が訴えを取り下げるなど、今のところ選挙結果に影響するような成果は出ていない。

トランプ氏支持者のデモで何が

トランプ氏は13日、支持者たちがいる場所に「立ち寄って挨拶」するかもしれないと述べていた。14日朝にデモ現場に車に乗って登場したが、そのままヴァージニア州スターリングに所有するゴルフ場へ向かった。

その後、ホワイトハウスのソーシャルメディア担当、ダン・スカヴィーノ氏が投稿したデモの動画をトランプ氏はリツイートし、「我々は勝つ!」と書いた。ただ、改めて現場に登場する予定があるかどうかは明らかにしなかった。

一部の左派団体はトランプ氏支持者に対抗するデモを計画していたが、これまでのところ深刻な衝突は報告されていない。

米民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)は今週初め、「ヘイト(憎悪)グループと関連のある人物はAirbnbにふさわしくない」として、プラウド・ボーイズ関係者と思われる人の予約をキャンセルした。

こうした中、韓国のK-ポップのファンたちはハッシュタグ「MillionMAGAMarch」を使い、トランプ氏の支持集会に抗議するため、大量のパンケーキ画像を投稿した。

トランプ氏の主張

トランプ氏は大統領選の結果をめぐり、不正があったとの主張を続けている。14日には連続ツイートで、投票用紙の署名に問題があるとして、ジョージア州での開票は「時間の無駄」だと主張した。主張を裏付ける証拠は示さなかった。

ジョージア州では手作業による再集計が行われる予定だが、州選管当局は大勢が変わる見通しはないとしている。

米連邦選挙当局は12日、今回の大統領選は「アメリカ史上最も安全」な選挙だったとの調査結果を発表。不正があったとするトランプ氏の主張に対して、連邦政府と州当局が直接的に反論するかたちとなった。

ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官は13日、米フォックス・ニュースに対し、「トランプ大統領は自分が次期大統領となり、2期目に入ると信じている」と述べた。

しかしこの日、選挙結果を覆そうとするトランプ氏の試みは次々失敗に終わった。

トランプ陣営は、合法的な票の一部が受理されなかったという主張をもとに、アリゾナ州で再集計を求めて提訴していたが、これを取り下げた。再集計しても票差を覆すのは不可能と判断したという。

ミシガン州の大都市デトロイトがあるウェイン郡で不正があったとして、共和党の選挙立会人2人がデトロイトでの選挙結果の認定阻止を求めたが、裁判所が棄却した。

トランプ陣営はペンシルヴェニア州フィラデルフィアの大半の郵便投票の無効を求めたが、これも退けられた。

政権移行で何が起きているのか

バイデン氏の勝利を認め、現政権から次期政権への移行準備に協力するよう、トランプ氏に圧力が高まっている。

トランプ政権の下で政権移行プロセスの開始を担う一般調達局(GSA)は、バイデン氏とカマラ・ハリス氏の勝利を認めていない。

バイデン陣営は円滑な政権移行に必要な機密情報や連邦政府機関、連邦予算などが活用できない状況が続いている。同陣営の広報担当ジェン・サキ氏は、このことがバイデン氏の統治能力に影響を及ぼす可能性があると述べた。

「現下の危機的状況に対処するために、リアルタイムな情報が必要だ」と、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を強調。「我々のチームと専門家にとってアクセスを得るのは必須事項だ」とサキ氏は述べた。

トランプ政権下で首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏もこうした意見に同調し、政権移行の開始が遅れることで国家安全保障を損なっていると指摘している。「これは、1時間でゼロから1000マイル進めるようなプロセスではない」と、米政治メディア・ポリティコに述べた。

バイデン次期大統領に機密情報のブリーフィングを実施するべきだという声が、共和党議員の間でも少数ながら高まっている。

(英語記事 Pro-Trump protesters hold rallies as tensions grow

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54929279

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