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2020年12月18日

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国連児童基金(ユニセフ)が設立以来初めて、コロナ禍で困窮するイギリスの子供たちに食料援助を提供することについて、英与党・保守党のジェイコブ・リース=モグ下院院内総務は17日、下院でユニセフを強く批判した。

リース=モグ議員は、ユニセフUKがイギリスに食料支援を提供するのは「政治的」だと非難。ユニセフは最貧国の子供の支援が目的のはずであり、「恥を知るべき」だと述べた。

ユニセフUKは、英各地で困窮家庭を支援する団体に数万ポンドずつの助成金を提供すると発表している。たとえば、ロンドン南部で活動する「School Food Matters」には2万5000ポンド、英南部デヴォン州の複数の団体には計2万4000ポンドなどを助成している。

ユニセフは、どこで生まれるかを問わず、すべての子供は健やかに育つ権利があると主張している。

設立70年以上になるユニセフが、イギリスの子供に緊急支援を行うのは初めてという。

格差について質問受け

リース=モグ院内総務はこの日、野党・労働党のザラ・スルタナ議員から質問を受けた。

スルタナ議員は、「子供への人道援助を担当する国連機関、ユニセフが今回初めて、イギリスの労働者階級の子供たちに食事を与えなくてはならない事態になっている」と指摘。「しかし、子供がおなかをすかせている間も、少数の金持ちが下品なほどの富を享受している」と述べた。

その上で議員はリース=モグ院内総務に、「この社会を痛めつけるグロテスクな不平等を終わらせられるよう、ご自分と超金持ちのお仲間も公平に分担すべきだと、協議する時間を政府に与える」考えはあるかと尋ねた。

「本当のスキャンダル」

これに対しリース=モグ氏は、ユニセフは「恥を知るべきだ」と反論。「ユニセフがこのように政治的な真似をするのは、本当のスキャンダルだと思う。大勢が飢えている世界で、最も貧しく、最も困窮した諸国の人たちを助けるべきなのに、飢饉と内戦で揺れる国を助けるのではなく、ひとつの行政区に確か2万5000ポンドを与えるなどして、安易に政治的な得点を挙げている」と述べた。

これに対して、ユニセフUKのアナ・ケトリー氏は、「ユニセフUKは、イギリスで子供の権利のため働いてきた25年間の経験をもとに、この前例のない危機に対応している。8月に開始した一度きりの全国的な対応で、この危機下で危険にさらされている全国の子供や家族に支援を提供している」と説明した。

ケトリー氏によるとユニセフは、食料確保が不安定なパンデミック下でイギリス各地の住民グループに計70万ポンド以上の資金を提供している。

「ユニセフは引き続き、世界で最も貧しい子供たちを助けるために、国際的な資金を使っていく。私たちはすべての子供が大事で、すべての子供が、どこで生まれたかにかかわらず、生き延びて健やかに成長する権利があると信じている」と、ケトリー氏は強調した。

(英語記事 Jacob Rees-Mogg accuses Unicef of 'playing politics' over UK food campaign

提供元:https://www.bbc.com/japanese/55359034

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