BBC News

2020年12月22日

»著者プロフィール

イギリスの中央刑事裁判所(オールド・ベイリー)は21日、英東部エセックス州で2019年10月にトラックの冷凍用貨物コンテナの中から39人の遺体が見つかった事件で、過失致死罪に問われた2人の男に有罪判決を言い渡した。

このコンテナには、ヴェトナムからの不法移民が乗っていた。ベルギー・ゼーブルージュ港から船で英テムズ川沿いのパーフリート港に運び込まれる中で、窒息死したとみられている。

過失致死罪で有罪判決を受けたのは、コンテナをトラックでベルギーまで運んだイーモン・ハリソン被告(24)と、密入国をあっ旋したゲオルゲ・ニカ被告(43)。

他の2人の被告にも、不法入国を共謀した罪で有罪が言い渡された。

量刑は来月言い渡し

この事件をめぐる裁判では、さらに別の2人の被告がこれまでに過失致死罪を認めている。

また、もう2人の被告が、不法移民を支援した罪を認めている。

これら計8人の被告には、来月7、8、11日に量刑の言い渡しが予定されている。

一方、ヴェトナムでも4人に実刑判決が出ている

この裁判では、犯罪組織による計3件の不法入国計画が審理された。2019年10月11日と18日に行われた計画は成功したが、同23日の計画で39人の命が失われた。

被害者は大学卒業者やネイリスト、建築作業員など15~44歳のヴェトナム人だった。イギリスでより良い生活を夢見て不法入国を試みていた。

また、被害者の家族の多くは仲介料を支払うために多額の借金をしており、被害者から送られる予定だった仕送りを当てにしていた。

「動物にもやらない方法」

検察によると、被害者を乗せたコンテナ内の気温は38.5度と、「耐えられないほど」に上昇していた。被害者らはここに少なくとも12時間閉じ込められていた。

被害者らは金属の棒を使って天井に穴を開けようとしていたが、失敗に終わっていたという。

ビル・エムリン・ジョーンズ検事は、「外に出る方法もなく、声をあげても届かず、誰も助けてくれなかった」と説明した。

エセックス警察のダニエル・ストーテン主任警部は、「被告らが人間を運んでいた密入国の方法は(中略)動物に対してもやらないような方法だった」と述べた。

<関連記事>

ハリソン被告は、3回目の計画でトラックをゼーブルージュ港まで運んだ。

その後、10月23日深夜に、パーフリート港でモーリス・ロビンソン被告(26)がトラックを回収した。

ロビンソン被告は、ボスに当たるロナン・ヒューズ被告(41)からテキストメッセージで「急いで空気を入れろ、でも外に出すな」と指示された。しかし港近くの工業団地でコンテナを開けたところ、移民は全員死亡していたという。

ロビンソン被告とヒューズ被告は、過失致死罪で有罪を認めている。

1人につき1万ポンド

裁判では、ロビンソン被告とヒューズ被告、ニカ被告の間で電話のやり取りがあった後、ロビンソン被告が通報したことが明らかになった。

ニカ被告は3回の計画を通じて、イギリス側で移民を運ぶ車やトラックを用意する役目だったという。

ストーテン主任警部は、犯罪組織は不法移民1人につき1万~1万2000ポンド(約140万~170万円)を受け取っており、「その大部分がヒューズ被告とニカ被告のものになっていただろう」と指摘した。

3件の計画のうち成功した先の2件では、トラック運転手のクリストファー・ケネディー被告(24)がパーフリート港でトラックを回収した。

ケネディー被告はたばこを運んでいたと思っていたと主張したが、21日の公判ではヴァレンティン・カロタ被告(38)とともに、不法移民の支援を共謀した罪で有罪とされた。

また、ケネディー被告はこの2件の間の10月14日、英仏海峡トンネルのフランス側で、トラックにヴェトナム人の不法移民20人を乗せているのが確認されていたという。このうち少なくとも2人が、23日の計画で亡くなっている。

警察は、被告らが14日の計画失敗を受け、23日の計画でトラックに乗せる移民を「2倍に」増やしたことが事故につながったとみている。

(英語記事 Two found guilty of killing 39 migrants in lorry

提供元:https://www.bbc.com/japanese/55407249

関連記事

新着記事

»もっと見る