BBC News

2021年1月12日

»著者プロフィール

旧ソヴィエト連邦のキルギスで10日、大統領選の投開票が行われ、サディル・ジャパロフ前首相が得票率79%で勝利した。同国の中央選挙管理委員会が発表した。

この日は大統領権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票も行われ、大多数が賛成した。

キルギスでは昨年10月の議会選挙で不正疑惑が持ち上がり、政情が混乱。ソオロンバイ・ジェエンベコフ前大統領が辞任する事態となった。

首都ビシュケクでの勝利演説でジャパロフ氏は、汚職のない開かれた政府を作ると約束した。

「前政権の過ちは二度と繰り返さない。過去30年以上に渡り、汚職がこの国のあらゆる分野を支配してきたが、これからはそういった事態は許されない」

また、キルギスの経済問題を「3~5年の間に正す」目標を掲げた。同国では近年、失業率の上昇により若者の国外流出が加速している。

「新たな政権構造作る」

今年中に実施されるとみられる憲法改正については、「新憲法が施行されたら政治改革に取り組む。新しい政権構造を作る」と説明した。

国際的な選挙監督機関は、ジャパロフ氏の金銭的・組織的資源はあまりにも大きく、公正な選挙戦だったとは言えないとの見解を示している。

一方、欧州安全保障協力機構(OSCE)は、大統領選と国民投票はどちらも適切に運営され、基本的な自由もおおむね尊重されていたとしている。

<関連記事>

昨年10月の議会選挙では、ジェエンベコフ大統領に近いグループが有権者を買収や脅迫したとの批判から大規模な抗議活動が起き、野党側が政権を掌握。クバトベク・ボロノフ元首相が辞任を表明した。

国家主義を掲げるジャパロフ氏は7年前の抗議行動で地方の知事を誘拐したとして収監されていたが、この騒動の中で解放され、議会によって首相代行に指名された。

しかし、この指名をめぐっても、投票規則に従っていたかどうか疑問があるとされている。ジェエンベコフ前大統領も一時は承認を拒否したものの、最終的にはこれを認めて辞任した。


キルギスとは

  • 中央アジア5カ国で2番目に小さな国で、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、中国と国境を接する
  • ソ連時代にはキルギス自治ソビエト社会主義共和国として知られていた
  • 1991年に独立し、1993年に現在の「キルギス共和国」となる
  • 2005年のチューリップ革命で強権的なアスカル・アカエフ元大統領が、2010年の反政府運動でクルマンベク・バキエフ元大統領がそれぞれ辞任に追い込まれている
  • 近隣諸国に比べ、比較的自由で公正な選挙が行われることで知られている

(英語記事 Japarov wins Kyrgyzstan presidency with landslide

提供元:https://www.bbc.com/japanese/55628052

関連記事

新着記事

»もっと見る