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2021年2月22日

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フランス南東部の都市リヨンで、市長が学校の食堂から食肉を排除するよう指示した。フランス政府は市長を批判している。

環境問題に力を入れる「緑の党」所属のグレゴリー・ドゥセ市長は、食肉の使用をやめることで、新型コロナウイルス対策の制限が続く中、給食サービスの効率化と迅速化を図れるとしている。

これに対しフランス政府は、ドゥセ市長が子どもの健康を危険にさらしていると非難。ジュリアン・ドノルマンディ農相はツイッターで、「子どもたちの皿にイデオロギーをのせるのはやめよう」と訴えた。

「子どもたちに良く育つのに必要なものを与えようではないか。肉はその一部だ」

ジェラルド・ダルマナン内相は、食肉の排除について、フランスの農家や食肉業者に対する「容認できない侮辱」だとした。

「モラルを説き、エリート主義の緑の党は、大衆のことを考えていない。学校の食堂でしか肉を食べられない子どもはたくさんいる」

魚と卵は提供

こうした批判に対し、ドゥセ市長は、右派の前市長も昨年、同じ措置を導入したと反論。

リヨン市内の学校の給食では、魚類と卵の提供は続け、すべての子どもにバランスの取れた献立を実現できると述べた。

栄養士らは、菜食主義の食事は子どもたちにとって安全だが、たんぱく質や鉄分などの栄養も十分に摂取できるよう細心の注意を払うことが大事だとしている。

リヨンの料理は、肉と内臓を使ったものが特に有名だ。ただ、人々の味の好みが変化している様子もうかがえる。

フランスでは肉が入っていない製品の販売が増えている。2018年には、学校で菜食主義の日を週1日は設けるよう法律で義務付けられた。影響力の大きいレストランガイドのミシュランは最近、動物由来の食物を完全に排したヴィーガンの店に、フランスで初めて星を1つつけた。

ドゥセ市長は、食肉の除外はあくまで新型ウイルスの流行を受けた措置だとするとともに、フランスの伝統を変えることも恐れないとしている。同市長はかつて、自転車競技の世界的な大会ツール・ド・フランスを「マッチョで環境を汚染する」と評したことがある。

(英語記事 Row as French mayor keeps meat off school menus

提供元:https://www.bbc.com/japanese/56150435

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