BBC News

2021年4月29日

»著者プロフィール

イギリスの政治資金を監督している「選挙委員会」は28日、首相官邸ダウニング街の改修費用について調査を開始すると発表した。

ボリス・ジョンソン首相は先に、婚約者キャリー・シモンズ氏と同居しているダウニング街11番地の建物の上階にある住居をリフォームした。

首相が住居整備のために受け取る公費は年3万ポンド(約450万円)。しかし、このリフォームに実際にかかった費用は、最大20万ポンドに上るのではないかとの見方が出ている。

これについて選挙委員会は、「ひとつの、あるいは複数の違法行為が疑われる根拠がある」として、調査する方針を示した。

この問題をめぐっては、首相の上級顧問だったドミニク・カミングス氏が、ジョンソン首相が住居の改修費用を献金者らに「ひそかに支出」させようとしたと主張したことで注目が集まった。

28日の議会での首相質疑でジョンソン氏は、改修費用を「個人的に」支払ったと述べたものの、実際の支払いを誰が行ったのかは明らかにしなかった。

選挙委員会とは

イギリスで2001年に設立された選挙委員会は、政党への献金を含む国内の政治資金の監督機関。

政党や政治活動家などは、一定額以上の献金や融資を申告する義務があり、それらは選挙委員会によって公表される。

選挙委員会は献金などが法令に従っているかを監督するだけでなく、強制権も与えられている。

また、2000年政党・選挙・国民投票法に基づき、警察に捜査を依頼する権利や、政党に罰金などの制裁を与える権利も持つ。

選挙委員会は今回、与党・保守党が政治献金関連法を順守していたかを調査する。

官邸の改修費用が規定の範囲内に収まっていたか、規定どおりに公表されていたかなどを見極める。

調査結果によっては、罰金を科す可能性や、警察に捜査を依頼する可能性もある。

首相質疑で応酬

最大野党・労働党党首のサー・キア・スターマーは28日の首相質疑で、改修費用の請求書を支払ったのは納税者なのか、保守党なのか、献金からなのか、それともジョンソン首相自身なのか、明らかにするよう迫った。

また、政府が「低俗な身びいきの縁故スキャンダルに、ずぶずぶにはまっている」と批判した。

これに対しジョンソン首相は、「私が改修費用を負担した(中略)行動規範に完全に従い、全体を通して政府職員の助言に従っていた」と答えた。

首相官邸はこれまで、ジョンソン氏が改修費用を支払うために融資を受けたかどうかを明らかにしていない。一方で、「首相は適切な行動規範と選挙法に基づいて行動した」と述べている。

首相官邸はまた、閣僚の収支について助言する独立顧問を新たに任命したと発表した。

この役職は2020年11月、プリティ・パテル内相が職員に暴力を振るっていた疑惑について、ジョンソン首相が助言を受け入れなかったとして前任者が辞職して以来、空席となっていた。

閣僚収支の新顧問となったクリストファー・ガイト卿(前女王秘書官)は、選挙委員会とは別に官邸改修費用について調査し、「登録が必要な収支が見つかれば首相に助言する」としている。

首相の上級顧問だったカミングス氏は23日に公開したブログで、ジョンソン首相がかつて、住居の改修費用を献金者らに「ひそかに支出」させようとしたと書いた。

「不道徳で、おろかで、違法の可能性もある」行動で、「(首相が)意図した通りに実行されたとしたら、政治献金に関する適切な情報公開のルールを、ほぼ間違いなく破ったことになる」と、カミングス氏は批判している。

(英語記事 Watchdog to investigate PM's flat renovations

提供元:https://www.bbc.com/japanese/56924273

関連記事

新着記事

»もっと見る