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2021年4月30日

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サラ・レインズフォード、BBCニュース、サンクトペテルブルク

ロシアで収監されている野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)が29日、裁判に臨み、ウラジーミル・プーチン大統領について、ロシアを「永遠に」統治しようとしており、「権力にしがみつく」ことしか考えていない」と非難した。頭髪はそったように短く、顔は痩せこけていた。

ナワリヌイ氏が公の場に姿を現したのは、今年2月に2年半の刑期で刑務所に収監されて以来、これが初めて。体重は学生時代と同じ72キロにまで落ちたと述べた。

同氏はかつて言い渡された横領罪での有罪判決をめぐり、執行猶予の条件に違反したとして収監された。だが、痛烈な政府批判への罰だとの見方が有力だ。

この日はビデオ回線を通じて出廷。処遇改善を求めて24日間続けたハンガーストライキの直後で、囚人服がだぶついていた。

それでも、発言の力強さは相変わらずだった。

ナワリヌイ氏はプーチン氏を「裸の王様」と呼び、「国民を襲って」未来を奪っていると主張。国民が「奴隷にされている」と訴えた。

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ナワリヌイ氏は、退役軍人の名誉を毀損(きそん)したとして有罪判決を受けており、この日はその裁判の控訴審だった。退役軍人はソ連時代に第2次世界大戦で従軍し、政府を支持するビデオに出演していた。

裁判官はナワリヌイ氏の訴えを退けた。

関連組織は「過激派」

この日、モスクワの別の裁判所では、ナワリヌイ氏が関係するすべての政治団体を「過激派」だとして活動禁止を求めた、検察の請求が審理された。

検察は26日、判決が出るまでの間、それらの政治団体に活動停止を命じていた。ナワリヌイ氏が率いる「反汚職基金」(FBK)の活動も制限された。

ナワリヌイ氏の右腕とされるレオン・ボルコフ氏は、判決を予測し、30カ所ほどある「ナワリヌイ本部」事務所の解散を発表。スタッフや支援者らの訴追を避けるためだとした。

各事務所は、2017年にナワリヌイ氏が大統領選への立候補を模索した際に設立された。同氏はプーチン氏との対決を狙ったが、立候補すら認められずに終わった。

ボルコフ氏は今週、BBCの取材で、「はっきりさせるが、この決定はロシア国内にある私たちの政治組織を破壊するものだ」と話した。同氏は複数の刑事事件で訴追されており、2019年から国外で暮らしている。

「ロシアで活動を継続するのは不可能だ」とボルコフ氏は主張。過激派関連の法律に違反した場合、最長10年の禁錮刑に処される恐れがあると説明した。

ロシアで「過激派」のレッテルが貼られた団体は、活動が極めて難しくなる。宗教団体「エホバの証人」は2017年に過激派とみなされ非合法とされ、信者約500人が刑事訴追された。うち数十人に重い刑が言い渡された。

ナワリヌイ氏の支援者の間では、訴追に対する恐怖心が広がっており、同氏の関連組織との関係を絶つ人も現れている。

主要都市サンクトペテルブルクでは今週、ナワリヌイ氏の壁画が描かれたが、わずか4時間ほどで警察が駆けつけ、市職員らによって黄色の塗料で塗りつぶされた。

(英語記事 Gaunt Navalny attacks Putin as network is disbanded

提供元:https://www.bbc.com/japanese/56939131

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