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2021年5月2日

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北朝鮮外務省のアメリカ担当局長は2日、談話を発表し、ジョー・バイデン米大統領が北朝鮮を「深刻な脅威」などと発言したことについて、「敵対的な政策」を維持しようとしていると非難した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)はこの日、外務省のクォン・ジョングン・アメリカ担当局長の談話を伝えた。

ジョングン氏は、バイデン氏の議会演説での発言を「黙過できない」とし、バイデン氏が「大変大きなミスを犯した」と主張した。

「彼(バイデン氏)の発言には、アメリカが半世紀以上、追求してきた対朝鮮敵視政策を旧態依然として追求するという意味がそのまま盛り込まれている」

バイデン大統領は4月28日、就任後初の議会演説で、北朝鮮の核開発は世界の安全保障にとって「深刻な脅威」で、同盟諸国と緊密に連携して対応していくと述べていた。

ホワイトハウスのジェン・サキ大統領報道官は4月30日、アメリカの対北政策の見直しが完了したと発表。歴代4つの米政権が、北朝鮮に核兵器開発を放棄させようとして失敗した経験から、バイデン氏が様々な知見を学び取ったと示唆した。

「私たちの政策は、大々的な合意成立に注力しないし、戦略的忍耐に依存することもない」とサキ氏は述べ、アメリカと同盟国の安全保障を向上させるための「実務的アプローチ」をとりつつ、北朝鮮との外交を模索していくとした。

アメリカは近々、日本と韓国の安全保障担当と対北政策の見直しについて協議する予定。

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2日には北朝鮮外務省代弁人も、アメリカが北朝鮮の人権問題を非難していることについて談話を発表。アメリカが金正恩・朝鮮労働党総書記の「尊厳を冒涜(ぼうとく)したのは、われわれとの全面対決を準備しているという明確な信号」だと主張した。

この談話が、人権に関するアメリカのどの発言を指しているかは不明だが、米紙ワシントン・ポストは、ホワイトハウスが北朝鮮人権問題特使を近く任命する見込みだと報じている。

行き詰まる米朝外交

米政府は2月中旬から北朝鮮政府との接触を試みているものの、北朝鮮から反応がないことを明らかにしている。

北朝鮮は3月21日に短距離巡航ミサイル2発を黄海に発射したが、バイデン氏は「何も変わったことはないと理解している」、「国防総省によれば、普段どおりとのことだ。北朝鮮の行為に新たな点はない」などと述べるにとどめた。

現時点で金総書記は、公にはバイデン氏を米大統領と認めていない。

バイデン氏は昨年の選挙戦中に金氏を「悪党」と呼び、アメリカや国連による厳しい経済制裁を緩和するには北朝鮮の核軍縮が必要だと強調していた。

金氏はバイデン氏が大統領就任式を控える中、アメリカは北朝鮮にとって「最大の敵」だとし、核兵器保有量や軍事力を拡大すると表明した。ただし、「外交を排除」したわけではないとも付け加えた。

バイデン氏の前任者ドナルド・トランプ氏は、現職の米大統領として初めて北朝鮮の指導者と3回の首脳会談を行ったが、非核化や制裁解除をめぐる交渉は決裂した。

(英語記事 North Korea accuses Biden of hostile policy

提供元:https://www.bbc.com/japanese/56953681

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