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2021年5月5日

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メキシコの首都メキシコシティのオリボス駅近くで3日夜、地下鉄の高架橋が道路上に崩落し、走行していた地下鉄の車両が落下した。この事故で少なくとも24人が死亡した。メキシコ当局は原因究明のため徹底的に調査を行うとしている。

高架橋の崩落事故では少なくとも24人が死亡、79人が負傷した。負傷者のうち1人はがれきの下敷きになった車両から助け出された。メキシコシティ市長は死者の中には子供も含まれるとしつつ、詳細は明かさなかった。

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、「何も隠すつもりはない」とし、メキシコシティ市長は外部企業が調査に参加すると説明した。

ロペス・オブラドール大統領は記者会見で、連邦政府とメキシコシティの検察当局による調査を早急に行うべきだと述べた。「証拠もないのに憶測で犯人かもしれない人たちを非難することはできない」。

地下鉄12号線は大統領と近しいマルセロ・エブラルド外相がメキシコシティ市長を務めていた頃に建設された。大統領と共に記者会見に臨んだエブラルド外相は、「誰にとっても非常に悲しい日」だと述べた。

現市長のクラウディア・シェインバウム氏も、責任の所在を断定するには時期尚早だと述べた。

監視カメラ映像には、地下鉄が走行中の高架橋が崩壊し、がれきや火花が舞い上がる様子が映っていた。


構造に問題か

崩落した地下鉄12号線をめぐっては2012年の開通以来、構造上の欠陥があるのではないかとの懸念が出ていた。設計上の問題や建設基準に関するもののほか、汚職疑惑も浮上していた。

地下鉄労働者を代表する労働組合のフェルナンド・エスピノ事務局長は、今回の事故には建設上の問題が関係していると指摘した。

エスピノ氏は「構造上の問題がある(中略)この部分に使用されている素材と関係があるのかは分からないが、何があったのか確認する必要がある」と、メキシコ紙エル・ウニベルサルに述べた。

崩落した箇所を含む地下鉄12号線の高架部分は2014年、複数の補修工事のため閉鎖を余儀なくされた。2017年のメキシコ中部地震後には、住民からひび割れがあるとの報告があり、交通当局が補修を行った。

当時のメキシコシティ地下鉄の局長ホルヘ・ガヴィーノ氏は、12号線は「一生解決できない固有の問題を抱えて生まれてきた」、「永久的な」メンテナンスが必要になると述べていた。

事故翌日の4日には、高架橋からぶらさがった状態だった地下鉄の車両がクレーンで撤去された。

12号線の建設に携わった企業の1つのCCICSAは、ロイター通信への声明で、「公式の専門家の意見を待つつもり」だと述べた。仏鉄道メーカーのアルストムは「調査を担当する当局と必要なかたちで連携し、援助する」とした。

今回の事故は、メキシコシティ地下鉄での事故としては過去数十年で最悪の規模。1975年には2つの地下鉄の車両が衝突し、31人が死亡した。

昨年にはメキシコシティの別の場所で2つの車両が衝突して1人が死亡、40人以上が負傷した。

(英語記事 Collapsed Mexico overpass had past safety concerns

提供元:https://www.bbc.com/japanese/56960520

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