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2021年5月5日

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日本海に面した石川県能登町がこのほど、巨大なイカのモニュメントを設置し、物議を醸している。新型コロナウイルス感染症対策の国の地方創生臨時交付金が、費用に充てられたからだ。

巨大イカのモニュメントは全長13メートル。スルメイカが特産品の能登町・九十九湾の観光交流施設「イカの駅つくモール」に設置された。

報道によると、能登町はモニュメント建設に臨時交付金8億円のうち2500万円をつぎ込んだ。新型ウイルス対策に直接的に使用する必要はないものだが、新型ウイルスのパンデミックが収束していない中で巨大イカに多額の資金を投じた行政には、一部から批判の声が上がっている。

能登町は地元メディアに対し、パンデミック後に観光客を呼び戻すための長期的な計画の一環だと説明している。

日本では現在、感染者が再び急増しており、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県には3回目の緊急事態宣言が発令されている。

漁業が盛んな能登町では感染者は非常に少ないものの、観光客が大幅に減少している。

ある地元住民は中日新聞に対し、「長い目では誘客効果があるかもしれないが、医療従事者や介護施設などコロナ禍で差し迫った支援が必要なところに手厚く使う道もあったのでは」と語った。

しかし町の広報担当はフジニュースネットワークに対し、モニュメントは長期的な戦略の一環だと説明。モニュメントが観光名所となり、能登の特産品スルメイカのPRに役立つとした。

新型ウイルスのパンデミックは多くの国と同様、日本の観光産業にも大打撃を与えている。

日本は今夏、1年延期となった東京オリンピック・パラリンピックを控えているが、新型ウイルスの影響で海外からの観客は入れずに行われる。

野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英氏は、海外客の受け入れを断念したことによる経済損失は2000億円規模になるかもしれないと指摘している。

(英語記事 Japan town uses Covid grant to build squid statue

提供元:https://www.bbc.com/japanese/56990377

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