BBC News

2021年6月10日

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米ニュースサイトのプロパブリカは、アメリカの富豪らが所得税をほとんど支払っていないことを示す詳細な資料を入手したとし、関連記事を掲載した。

プロパブリカは、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、電気自動車のテスラを創業したイーロン・マスク氏、著名投資家ウォーレン・バフェットなどの納税記録を確認したとしている。

8日付の記事によると、ベゾス氏は2017年と2011年に税金をまったく納めなかった。マスク氏は2018年の納税額がゼロだった。

ホワイトハウス報道官は資料流出を「違法」だとした。連邦捜査局(FBI)と税務当局は調査を進めている。

BBCは今回の記事の内容の真偽を確認できていない。アメリカではこのところ、富裕層の納税状況や、経済格差の拡大が議論の的になっている。

プロパブリカは現在、富豪らの納税に関する「米内国歳入庁(IRS)のデータの宝庫」を分析している最中で、数週間内にさらに詳細を伝えるとした。

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「制度の穴を利用」

プロパブリカによると、アメリカで最も多くの富をもつ25人が、調整後総所得について支払った税金の平均税率が15.8%だった。これは、平均的な労働者の支払い税率より低いという。

プロパブリカのジェシ・アイジンガー記者は米メディアに、「億万長者が(納税を)ゼロにできることに驚いた。税金をまったく支払っていないことに、私たちは仰天した。超富裕層は完全に合法的に税制度を回避できるのだ」と述べた。

「そうした人たちは、税控除の方法を見つけ、制度の穴を利用する、ものすごい能力をもっている」

借金で税控除

同記者によると、富豪らは所有企業の株価上昇によって富が増大しているが、増加分は所得として扱われていない。また、「暮らしを充実させるために借り入れをすることなどで、積極的に税控除の適用を受けている」という。

富豪らは富を築いたり相続したりし、それを担保に借金をする。富の増加分は現金化せず、所有する株の売却もしないので、課税対象となる所得が生じないという。

「そして銀行から比較的低率で借り入れをし、それで暮らす。借金の利子は所得の控除に使える」と同記者は話した。

プロパブリカは、米誌フォーブスのデータを基に、アメリカで最も所得の多い25人の富の合計が2014~2018年に4010億ドル増えたと推計。しかし、支払われた所得税は計136億ドルだったとした。

バイデン政権の反応

ジョー・バイデン大統領は、富裕層の所得税率を引き上げ、貧富の差を改善すると表明している。

しかしプロパブリカは、「バイデン政権が提案している税制では、ヘッジファンドのマネージャーのような一部の富裕層が支払う税金は増えるだろうが、トップ25人の大多数はほとんど何も変わらない」と分析している。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、「政府の機密情報を許可なく提供」するのは違法行為だと述べた。

財務省のリリー・アダムス報道官は、今回の報道についてFBIや省内の監督機関に報告したと、ロイター通信に明らかにした。IRSのチャールズ・レティグ長官は、IRSから資料が流出した疑いについて調査していると述べた。

(英語記事 US super-rich 'pay almost no income tax'

提供元:https://www.bbc.com/japanese/57422967

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