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2021年7月22日

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東京オリンピックは23日の開幕を前に21日夜、女子サッカーの予選リーグが始まり、3会場で6試合があった。無観客の札幌ドーム(札幌市)では日本とカナダが対戦し、1-1で引き分けた。直前のイギリス対チリの試合では、両チームの選手が開始前に片膝をつく場面があった。

世界ランキング8位のカナダが同10位の日本を相手に押し気味に試合を進めたが、日本が少ないチャンスをものにして同点に持ち込んだ。

先制点は開始早々だった。

カナダは前半6分、FWニシェル・プリンスが右サイド奥まで駆け上がり、マイナスのクロスを転がす。これにFWクリスティーン・シンクレアが走り込んでシュート。ゴール左ポストに当たって跳ね返ったボールを、シンクレアが自ら左足で押し込んだ。

シンクレアはこれで、自身がもつゴールの世界記録を187に伸ばした。また、この試合は彼女にとって代表300試合目で、カナダで4人目の記録達成となった。

前半はその後も、カナダがボールを支配する時間が多かった。日本は、カナダの素早く力強い守備の寄せに、なかなかシュートまで持ち込めない。カナダが1-0とリードしたまま、ハーフタイムとなった。

後半に入るとすぐ、日本にチャンスが訪れた。

後半3分、左サイドからMF長谷川唯がクロスを送ると、FW田中美南がゴール前に駆け込む。ボールに触れた直後、田中はカナダのGKステファニー・ラベと絡み合って転倒。ビデオアシスタント・レフェリー(VAR)の判定の結果、ペナルティーキック(PK)を獲得した。

しかし、田中がゴール中央左寄りに蹴り込んだPKは、GKラベにはじき返された。

その後、カナダが日本ゴールへと攻め上がる場面が目立ち、日本は守勢に回ることが多いまま試合は進行。このまま終了かとも思われた。

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「リズムつくれなかった」

だが後半39分、長谷川が自陣右サイドから前線へと長いパスを送り込む。英アーセナル女子所属のエースFW岩渕真奈がカナダのDF2人と競るように駆け上がり、ワンタッチでシュートを放つと、ゴール右に決まって同点に追いついた。

岩渕は試合後、「何とか勝ち点1につながるゴールを取れてよかった。今日以上のプレーを2試合目、3試合目でしっかりして、悔いのないよう全員で頑張りたい」と話した。

高倉麻子監督は、「前半は自分たちのリズムをつくれなかった。後半は人の位置を調整し、自分たちのリズムでできる時間が増えた。勝ち点1はプラスにとらえて次に進んでいきたい」と述べた。

日本の次の試合は24日のイギリス(世界ランキング6位)戦。チリ(同37位)を含めた4チームで予選リーグを繰り広げ、上位2チームが決勝トーナメントに進む。3位でも勝ち点によっては進出できる。

イギリス、片膝をつき差別に抗議

日本と同じグループEのイギリスはこの日、札幌ドームでチリと対戦。試合前、チームの全選手がピッチの上で片膝をつき、人種差別への抗議を表した。チリの選手たちも呼応し、片膝をついた。

スポーツ選手が試合前にフィールドに膝をつき人種差別や警察暴力に抗議する行動は、まず米NFLのコリン・キャパニック選手らによってアメリカで広がり、昨年5月にアメリカで黒人男性ジョージ・フロイドさんが殺害された事件のあと、サッカーの英プレミアリーグやイングリッシュ・フットボールリーグにも波及し、イングランド代表も取り入れた。女子サッカー界でも2020~2021年シーズンに同じ行動がみられるようになった。

東京五輪のイギリス代表チームは先週、すべての試合の前に片膝をつく意向を発表していた。

国際オリンピック委員会(IOC)は、五輪会場での抗議行動に関するルールを、東京大会で緩和する方針を明らかにしている

DFデミ・ストウクスは、片膝をつくことについて、チームとして「強い思いがあった」と説明。ヘゲ・リーセ監督も、選手たちは「全員結束していた」と述べた。

GKカーリー・テルフォードは先週、イギリスが他チームに刺激を与え、同じ行動を引き起こせればいいと話していた。

試合は、イギリスがチリに2-0で勝利した。

アメリカの連勝止まる

この日、44連勝中で今大会でも優勝候補筆頭のアメリカ(世界ランキング1位)が、初戦でスウェーデン(同5位)に0-3で敗れる波乱があった。

グループGのアメリカのFWメガン・ラピーノは、「こてんぱんにやられた」とコメント。「少し緊張していたと思うが、動きが悪く、間抜けなへまをした」と述べた。

東京スタジアム(東京都調布市)で試合をしたグループGではこのほか、オーストラリア(同9位)がニュージーランド(同22位)に2-1で勝った。

一方、グループFは宮城スタジアム(宮城県利府町)で2試合があり、ブラジル(同7位)が5-0で中国(同15位)を、オランダ(同4位)が10-3でザンビア(104位)を、それぞれ下した。

WHO事務局長が大会を支持

東京五輪では21日、チリの女子テコンドーのフェルナンダ・アギーレ選手が新型ウイルスの陽性と確認され、大会を棄権することになった。

選手が検査で陽性となり、出場できなくなったのは、これが初めて。

そうした中、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、東京オリンピックの開催を支持すると表明した。

(英語関連記事 GB women's footballers take kneeSweden end USA's 44-match unbeaten run

提供元:https://www.bbc.com/japanese/57912976

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