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2021年9月15日

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北朝鮮は15日、日本海に向けて弾道ミサイル2発の発射実験をした。日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。その数時間後、韓国も潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に成功したと発表した。

北朝鮮の弾道ミサイル発射実験は、韓国軍合同参謀本部(JCS)が15日に発表した。北朝鮮は13日にも巡航ミサイルの発射実験を行っていた。

日本政府も同日、北朝鮮が弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射したと発表した。当初はEEZの外に落下した模様だとしていたが、岸信夫防衛相はその後、EEZの内側に落下したと推定されると発表した。

菅義偉首相は同日午後、「日本と地域の平和と安全を脅かすもので言語道断」だと述べた。

JCSは北朝鮮が発射した短距離弾道ミサイルについて、飛行距離は約800キロで、最高高度60キロに達したとした。北朝鮮中央部から発射されたという。JCSとアメリカは、ミサイルの種類に関して分析を進めている。

弾道ミサイルの発射は、北朝鮮の核活動を抑制することを目的とした国連決議違反となる。

一方、韓国はSLBMの発射実験を初めて実施した。あらかじめ予定されていたもので、北朝鮮のミサイル試射を受けたものではないとされる。韓国はこれで、SLBMの技術をもつ世界7番目の国になった。

2日前にもミサイル実験

北朝鮮は13日にも、日本列島を射程に収める新型長距離巡航ミサイルの実験を行った。同国国営の朝鮮中央通信は「大きな意義を持つ戦略兵器」だと伝えた。

専門家たちは、この巡航ミサイルは核弾頭を搭載できる可能性があると指摘している。

国連安全保障理事会は北朝鮮の弾道ミサイル開発を禁止しているが、巡航ミサイルについては禁止していない。

弾道ミサイルは巡航ミサイルに比べ、強力な弾頭を数多く積載できるほか、射程範囲が広く、航行速度も速いとされている。

韓国大統領の談話を非難

韓国のSLBM試射には、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が立ち会った。ムン氏は、韓国が「北朝鮮の挑発にいつでも対応できる十分な抑止力」を手に入れたとし、「北朝鮮の不均衡な戦力を圧倒する」ために、防衛力の増強を続けるよう指示した。

この発言に対し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏は、不合理で遺憾だと批判。北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)によると、韓国との関係が崩壊する可能性があると警告したという。

韓国・延世大学のジョン・デルリー教授は、「朝鮮半島の1国だけでなく2国が同じ日に弾道ミサイルの発射実験をするのは、異例のタイミングだ」、「この地域で軍事力競争があるという事実を証明するものだ」と話した。

中国と韓国の外相が会談

北朝鮮は食糧難や深刻な経済危機に直面しており、いまも核兵器開発を続けられる状況なのか疑問視されている。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、北朝鮮は最も近い同盟国である中国との貿易をほぼ停止するなど、1年以上孤立状態が続いている。

こうした中、中国の王毅外相は15日、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相とソウルで会談した。鄭外相は北朝鮮政策における協力を求めた。

北朝鮮は3月、制裁を無視して弾道ミサイルの発射実験を行い、アメリカ、日本、韓国から強く非難された。

先月には、国際原子力機関(IAEA)が、北朝鮮が寧辺にある原子炉を再稼働させているとみられるとの報告書をまとめた。寧辺の原子炉では、核兵器用のプルトニウムが生産されているとされ、IAEAは「深く憂慮」すべき動きだとした。

(英語記事 North and South Korea test missiles hours apart

提供元:https://www.bbc.com/japanese/58568707

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