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2021年11月24日

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2017年8月に米ヴァージニア州シャーロッツヴィルで、極右集会の参加者とそれに抗議する人たちが激しく衝突した事件について、シャーロッツヴィル連邦地方裁判所は23日、集会の主催者らに合わせて2500万ドルの支払いを命じた。

今回の民事訴訟は、衝突の際に負傷した9人が、主催者らは人種差別に基づく暴力を招いたとして起こしたもの。6件の訴えのうち4件で主催者側の責任が認められた。

この事件では、「右派の団結」を掲げる集会に抗議する人々に車が突入し、女性1人が死亡。数十人がけがをした。

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シャーロッツヴィルでは2017年、南北戦争で奴隷制維持を掲げる南部連合の軍を率いたロバート・E・リー将軍の銅像撤去をめぐり、白人至上主義者たちが抗議集会を重ねていた。8月12日には「右派の団結」を呼びかける人たちと、これに抗議する人たちの衝突が起きた。人種差別に抗議する人たちの中にジェイムズ・アレックス・フィールズ被告が自動車で突入し、ヘザー・ハイヤーさん(32)が死亡したほか、19人が負傷した。

また、当時のドナルド・トランプ大統領が「双方に責任がある」と主張。当時の与党・共和党内や政権内からもトランプ氏を批判する声が上がった。

リー将軍の銅像は今年7月に撤去されている。

主催者は暴力行為を予測か

今回の裁判では、南北戦争後に白人至上主義団体による奴隷制から解放されたアフリカ系アメリカ人を守るために制定された法律が適用された。

この法律では、市民権を侵害していると思われる人物を相手に民間人が提訴できる。ただし、原告側が被告らの共謀を立証しなければならない。

原告側は、被告らが「シャーロッツヴィルにホロコーストや奴隷制、全体主義などをほのめかすものを持ち込んだ」と指摘。「半自動小銃やピストル、矛、つえ、よろい、盾、たいまつといったものも携帯していた」と述べた。

また、ソーシャルメディアの投稿やチャットのやりとりなどを収めた5.3テラバイト以上のデータを証拠として提出した。

一方の被告側は、暴力行為や車を暴走させたフィールズ被告との関係を否定し、共謀はなかったと主張。人種差別的な意見は言論の自由を保障する憲法修正第1条で守られていると述べたほか、衝突を止められなかった警察にも責任があると指摘した。

しかし裁判で明かされた証言では、一部の主催者が暴力行為を予測していたことが示唆された。

かつて過激派だったというサマンサ・フローリッチ氏は、集会に抗議する人たちを車で攻撃するアイデアが、集会前に協議されていたと証言した。

車での襲撃犯にも罰金

被告人には、2017年の集会の中心人物だったジェイソン・ケスラー被告や、「オルト・ライト(オルタナ右翼)」という言葉を広めたリチャード・スペンサー被告など、アメリカの白人至上主義者や極右の間での有名人が含まれていた。

裁判では陪審団が、特に有害な行為に及んだとされる被告12人に50万ドル、白人至上主義の5団体に100万ドルの罰金を科した。

さらに、損害賠償として被告2人に25万ドル、複数の被告に合わせて20万ドルの支払いが命じられた。

また、ハイヤーさんを死亡させた車を運転していたフィールズ被告にも、合わせて1200万ドルの罰金が科せられた。

フィールズ被告は2019年に、終身刑が言い渡された

原告側の弁護団は、今回の裁判が過激派集会を防止するきっかけになることを期待していると述べた。

(英語記事 US jury awards $25m in damages over far-right rally

提供元:https://www.bbc.com/japanese/59397162

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