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2021年11月24日

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米オハイオ州の連邦裁判所は23日、鎮痛剤の麻薬中毒者が増加する危機的状況を悪化させたとして、国内3大薬局チェーンの法的責任を認める画期的な判断を示した。

裁判所は、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、CVS、ウォルマートの3社について、中毒性のある麻薬オピオイドを使った鎮痛剤の過剰供給に加担したと判断した。

裁判では、オハイオ州のレイク郡とトランブル郡が薬局チェーンに対し、オピオイド系鎮痛剤は問題ないと保証できないまま地域に過剰供給させ、社会的な迷惑を引き起こしたと主張した。

両郡に支払う賠償金の額は、今後の裁判で決められる。両郡の弁護団は、オピオイド系鎮痛剤の流行による社会的・法的なコストは、それぞれの郡で10億ドル(約1150億円)に上る可能性があると述べた。

両郡はこの日の判断について、「薬局チェーンが社会的な迷惑を共謀して引き起こしたことを遅ればせながら認めたものだ」とする共同声明を出した。

CVSは控訴の意向

一方、CVSは控訴する意向を示した。他の2社はまだコメントしていない。

CVSは声明で、「原告側の専門家が証言したように、オピオイド中毒の問題には多くの要因が絡んでいる。問題解決には、保健制度のすべての利害関係者と地域住民全員の関与が必要となる」とした。

裁判では3社とも、鎮痛剤が合法的な使用法以外で使われないよう対策を取っていたとして、争っていた。

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他にも3300件の裁判

アメリカでは過去20年ほどで、何百万人もがオピオイド中毒となった。フェンタニル、オキシコンチンなど、合法的なオピオイド系鎮痛剤が過剰に処方され、乱用されたことが原因だった。

1999~2019年には、50万人近くが鎮痛剤の過剰摂取で死亡した。

州などの自治体は、鎮痛剤の流行によって社会的・法的な対応が求められ、財政が大きく圧迫されたとしている。

そうした費用を、鎮痛剤の販売で潤った企業から回収しようとする裁判は、他に3300件ほど起こされている。

それらの裁判では薬局チェーンに加え、大手製薬会社や医療従事者らも、問題を見て見ぬふりをしていたとして責任を問われている。

各地の原告らは、今回の裁判と同様、「社会的な迷惑」を主張の軸としている。ただ、オクラホマ州とカリフォルニア州の裁判所は今月、製薬会社に対する法的な主張にはならないとして、訴えを退けた。

(英語記事 US pharmacies found liable of fuelling opioid crisis

提供元:https://www.bbc.com/japanese/59397892

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